《ブラジル》ウクライナ脱出者が無事帰国=空軍機がブラジル人ら68人連れ帰る=犬8匹と猫2匹も

空軍基地に降り立った帰還者を出迎えた大統領達(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 【既報関連】ロシア軍による侵攻を受け、ウクライナを脱出したブラジル人達を乗せた空軍機が10日昼過ぎにブラジリアの空軍基地に着き、ボルソナロ大統領らが出迎えたと同日付ブラジル国内サイトが報じた。
 ウクライナからの帰還者を乗せたKC―390型機は、ウクライナへの人道支援物資11・6トンを載せ、7日にブラジリアを飛び立った。往路はレシフェ、カーボベルデ、リスボンを経てワルシャワに向かい、人道支援物資を下ろした。
 帰路はエンブラエル社のレガシーとの2機編隊。別途現地に向かったカルロス・フランサ外相の指揮の下で帰還者達を乗せた後、9日午後、ワルシャワを発った。両機はリスボンとカーボベルデを経て、10日朝、レシフェに到着。同市で約3時間を過ごした後、ブラジリアに到着した。
ブラジリアに降り立ったのは、ブラジル人43人、当地に親戚や身内がいるウクライナ人19人、アルゼンチン人5人、コロンビア人1人(内14人は子供)と、犬8匹と猫2匹だった。
 大半の帰還者はKC―390を利用したが、妊婦1人と乳児がいる家族2組、フランサ外相はレガシー機を使用した。

 7日の時点では、帰還者らの到着時、大統領は迎えに出ないと報じられていたが、実際には歓迎式典が行われ、大統領夫妻が揃って出席。複数の閣僚や連邦議員、軍司令官なども集まって、帰還者達を迎えた。
 帰還者達は入国手続きと新型コロナへの感染の有無を確認する検査を受けた後、各々の目的地に向かう。シロ・ノゲイラ官房長官によると、新型コロナへの感染者がいた場合は、政府が提供するホテルに留まり、隔離期間を過ごす事になる。
 ウクライナ侵攻は10日現在で15日目となり、230万人が同国を逃れたが、砲撃が止まないなどの理由で脱出できない人や、自国防衛のために国内に残る人達も多い。
 ボルソナロ氏はロシアを気遣って中立との立場をとり、国内外から批判を浴びているが、国連大使は安全保障理事会や総会でロシア軍による侵攻を批判し、即時撤退などを求める姿勢を明らかにした。現在は中国もウクライナへの人道支援などを行っている。

★2022年3月10日《ブラジル》ウクライナ脱出者ら乗せて=空軍機がポーランドを出発
★2022年3月10日《記者コラム》ウクライナとブラジルの繋がり=世界から東欧へ平和の祈り
★2022年3月9日《サンパウロ州》「ウクライナ女性は尻軽」発言州議が離党=罷免目前、彼女からも絶交言い渡される

最新記事