ロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)は9日、大統領選への出馬を断念することを宣言した。これにより、民主社会党(PSDB)から移籍する予定のエドゥアルド・レイテ・リオ・グランデ・ド・スル州知事を、PSDが擁立する可能性が一段と高まった。9、10日付現地紙、サイトが報じている。
パシェコ氏は9日、PSDのジルベルト・カサビ党首に10月の大統領選に出馬する意思がないことを書面で伝えた上、上院でも「私の議長としての任務は急務であり、他のことをやる余裕はない。よって大統領選のキャンペーンに割くことのできる時間はない」と語り、正式に出馬を断念することを表明した。
パシェコ議長は下議を一期務めたのち、2018年に上議に初当選。2021年に44歳の若さで上院議長になるなど、早い出世で知られている。同年にはカサビ党首から「(ルーラ元大統領でもボルソナロ大統領でもない)第3の候補」として期待され、民主党(DEM)からPSDに移籍していた。
だが、大統領選の世論調査では1%ほどの支持しか得られずに苦戦。パシェコ氏自身の口からも出馬に消極的な発言が漏れていた。
これにより、かねてから交渉が進んでいたレイテ氏のPSD移籍と大統領選出馬が現実味を帯びてきた。レイテ氏はPSDBの大統領選候補の座をジョアン・ドリア・サンパウロ州知事と争っていたが、昨年11月の党内選挙で惜敗した。
この時の争いは党内を2分するほどのものとなり、レイテ氏離党との噂が絶えず、PSDとの移籍交渉も進められていた。
レイテ氏の地元のリオ・グランデ・ド・スル州では同氏の腹心とも言われてきたアナ・アメーリア元上議はすでに、進歩党(PP)からPSDへの移籍を済ませており、側近たちは、レイテ氏のPSD移籍も来週中には発表があるだろうと報じられている。
レイテ氏は大統領選の世論調査でも、現状5番手のドリア氏とさほど変わらない支持率を得ており、パシェコ氏よりも高い得票率も期待されている。