ブラジル日系熟年クラブ連合会(熟ク連)は先月23日に第43回定期総会を開催し、新会長に辺原良子さん(73、2世)を選任した。28日、辺原会長と上野美佐男前会長らが就任挨拶のため当紙編集部を訪ずれ、今後の展望について語った。
「コロナ禍と言えど、閉じこもりきりは良くない。熟ク連ができる事をしっかりとやっていきたい」と意気込みを語る辺原会長。長引く自粛生活の影響で、体が弱くなり、外出出来なくなった会員が増加しているという。「閉じこもりきりだと体が悪くなるだけでなく、会話能力も落ちてしまう。久しぶりに電話で話そうとしたら、同居する子供に電話を任せてしまおうとする人が何人もいました。コロナ禍で対面行事の開催が難しくても、人と触れ合う機会はしっかりと作っていきたい」と語った。
13日にはオンラインでのカラオケ大会開催を予定している。開催にあたっては関係100団体に招待状を送付し、すでに365人からの参加申し込みがあった。辺原会長とともに新たに文化理事に選任された原房子さんは「高齢者でもオンラインの活動は出来ます。電子機器の扱いに苦手意識をもっている人も、ぜひ周囲の人に協力をお願いしてオンライン活動に挑戦してみてください」と呼びかけた。
上野前会長は顧問として会を支えていく。「ぜひ新しい風を吹き込んでもらいたいです」と辺原会長と原文化理事の活躍に期待を寄せた。
熟ク連には約1500人の会員(平均年齢80歳)がいたが、コロナ禍で亡くなった会員も多く、現在改めて人数を調査中だという。
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高齢者の中には「スマホは苦手」という人も多いだろう。原文化理事も「私もはじめは、ボタンを押すのすら怖かった」と振り返る。今では使いこなせるようになり、熟ク連でスマホ講座の開催も考えているという。「知り合いの中には、86歳で連絡アプリ「ワッツアップ」を使いこなしている人もいます。教える人とやる気さえあれば何歳でも習得できます」と話す。
辺原会長も「スマホの操作を覚えれば、簡単に声のメッセージを送ることができて便利ですよね。習得には毎日使うことが大事なので、講座を通して毎日使用できる場を提供できれば」と語った。