11日午後、トカンチンス州のマウロ・カルレセ知事(社会自由党・PSL)が州議会に辞表を提出したと同日付現地サイトが報じた。
カルレセ知事は収賄容疑と市警の捜査を妨害した嫌疑で連邦警察の捜査対象となり、昨年10月に最高裁から知事職更迭との判決を受けた。これを受け、同知事の罷免要請が出されたため、正式な罷免手続きを始めるか否かを問う最初の投票が10日に行われた。
同知事はこの直後、自分は無実であり、議会が罷免要請を受け入れた事は容認しがたいとの文書を提出し、裁判の場で闘争を続けるとの意向を表明していた。だが、罷免審議を続けるか否かの2回目の投票が行われる2時間前の11日午後3時に辞表を提出した。
2度目の投票で罷免審議継続が可決されれば、議会と裁判所による合同法廷開設となるはずだったが、同知事の辞表提出によって罷免審議の対象者が不在となったため、11日の州議会は同氏からの辞表を朗読しただけで、罷免審議継続に関する投票は取りやめた。
州議会はその代わり、昨年10月以降、知事代行を務めていたヴァンデルレイ・バルボーザ副知事(無所属)を正式に知事とする事を決め、11日付でバルボーザ氏の就任式を行った。
バルボーザ氏は知事代行に就いた直後からカルレセ氏との関係を絶っており、州政府刷新のために局長などの人事異動も断行。実質的に全ての局長を入れ替える一方、カルレセ氏の支持基盤だった議員達の支援も獲得。24人の州議中21人は今週はじめ、同氏支援の意向を表明している。
カルレセ氏は州議会議長だった18年に、マルセロ・ミランダ、クアルジア・レリスの正副知事が2014年の選挙時の裏金疑惑で選挙高裁から職務剥奪の判断を受けた事で暫定知事に就任。その後の補欠選挙で知事に選ばれた人物だった。