ブラジル千葉県人会の2022年度定期総会が6日、サンパウロ市ジャバクアラ区の同県人会館で行われ、22人が参加した。役員改選で中内和夫(なかうち・かずお)ジョージ氏(62、2世)の新会長就任が発表され、2000年から22年間(11期)の長期にわたって会長を務めた原島義弘氏(81)は勇退した。原島前会長は新役員に向けて「辛い時でも一生懸命にやったことは必ず、その人たちにとって良い経験になる」と激励。新体制の活動に期待を寄せた。
総会では、先亡者への黙とうに続き、原島氏があいさつ。09年に完成した会館の維持費用が、毎年母県から送られている補助金によって大きく支えられていることに感謝の気持ちを表し、その上で、新執行部に「一源三流(いちげんさんりゅう)」の教えを紹介した。
「一源三流」は日本武道に伝わる言葉で、国を愛すること、家族のために汗を流すこと、友のために涙を流すことの大切さを表している。原島氏は剣道指導者としても長年活動しており「特に友(県人会員)を大切にすることで、道が開ける」と新執行部を激励した。
引き続き、21年度事業報告が行われ、コロナ禍でほとんどの行事が中止となった中で、会館建設の経緯を後世に残すための建設碑が設置されたこと等が説明された。21年度会計報告では、収入、支出ともに14万9728・12レアルであることが発表された。
22年度事業計画案では、県庁との交流事業、会報の発行、県連主催日本祭りへの参加、会員親睦事業(ピクニック)、千葉県からの訪問者の対応と、会館補修事業及び治安対策強化などを発表。22年度予算案は20万5600レアルで、それぞれ承認された。
役員改選では、事前に提出された中内氏を新会長とする唯一のシャッパが発表され、拍手で承認された。
中内新会長はサンカエターノ・ド・スル市出身。サンパウロ日伯援護協会傘下の日伯友好病院の外科医師として34年間勤務し、同病院医師長やブラジル日本青年会議所会頭を歴任した。原島氏とは剣道を通じた16年に及ぶ師弟関係があり、自身の母親も千葉県人会の婦人部で活動してきたという。
中内新会長は「これまで仕事の多忙さから会長になることを断ってきましたが、今回、チャレンジ(挑戦)することにしました。全力でやることを誓いますので、皆様のご協力をお願いいたします」とあいさつし、意気込みを語った。
総会終了後は新年会が開かれ、集まった会員たちは久々の対面での再会で旧交を温めた。
新役員は次のとおり(敬称略)。会長=中内和夫ジョージ。副会長=藤平テルオ、原ベネジクト。書記=小田セルジオ、三瓶クラウジオ。会計=原島義弘、小田セルジオ。監査=坂本セルジオ、藤平エジソン。