《ブラジル》連邦警察新トップによる人事が物議=大統領らの捜査管轄の部署

マルシオ・ヌーネス氏(Twitter)

 連邦警察新長官が、ボルソナロ大統領やその息子たちも対象となっている捜査を管轄する部署のトップを交代させる人事を行い、物議を醸している。17日付現地サイトが報じている。
 17日付官報によると、連警長官に就任したばかりのマルシオ・ヌネス・デ・オリヴェイラ氏は、連警の「汚職対策・捜査部」トップのルイス・フラヴィオ・ザンプローニャ氏を解任し、カイオ・ロドリゲス・ペリム氏を後任につけた。
 ペリム氏が新たに就く部署は、虚報(フェイクニュース)捜査や反民主主義的行為の資金源捜査、公金を横流しした疑いのある議員の捜査といった、ボルソナロ大統領やその支持者、長男フラヴィオ氏、次男カルロス氏らが対象となっている捜査を担当している。
 この部署は連邦警察内でも最重要部門で、汚職対策を行い、最高裁や高等裁が扱う問題で対象となった政治家の捜査を行う高等裁判所内捜査調整課(Cinq)もこの部署に所属している。
 ペリム氏は昨年7月からセアラー州の連警支部長を務めていた。それ以前はロンドニア州や北大河州の支部を率いていた。

 また、マルシオ・ヌーネス氏はボルソナロ政権に入ってから5人目の連警長官で、先週、長官に就任したばかりだ。前任者のパウロ・マイウリーノ氏は就任後1年も経たずに異例の解任となった。
 ヌネス氏は連警長官就任まで、法務省ナンバー2の同省副大臣を務めていた。また、連邦警察官として国立警察学校で教鞭をとっていたほか、2018~21年には連邦直轄区の連邦警察で地域監督官を務めていた。
 ボルソナロ大統領はこれまでも連警リオ支部への干渉や連警トップの交代を求めるなどの行為が問題視されており、2020年4月にはそれに反発したセルジオ・モロ法相(当時)が辞任する事態も招いた。
 今回の件は、大統領一家が関わる捜査の担当部署の人事であるだけでなく、大統領選を約半年後に控えたタイミングでの突然の人事交代であることでも注目されている。

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