サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が17日、同日から閉鎖空間でのマスク着用義務を解除すると発表したと同日付現地サイトが報じた。
これは9日に発表された開放空間での着用義務解除に続くものだが、今回の閉鎖空間での着用義務解除には、医療機関や公共交通機関は除くという条件がついている。公共交通機関の範囲には、乗降するための駅やターミナルも含まれる。
また、学校やショッピングセンター、事務所、スポーツジム、一般の商店などでのマスク着用は任意で、各施設が方針を決める事になっている。
ドリア知事は、ワクチン接種の進展や入院者、死者の減少が今回の判断の決め手となったと説明。着用義務解除のための知事令は即日発効となっている。
17日から即日解除との発表は、科学委員会が同日、カーニバルから2週間経っても、感染学的に見た感染状況が改善傾向にある事が確認できたという報告書を提出したのを受けたものだ。
ドリア知事は9日の時点で、閉鎖空間での着用義務解除は23日までに判断すると発表していたが、感染状況を示す数字が跳ね上がる事態が避けられている事で、前倒しでの着用義務解除となった。
サンパウロ州がマスクの着用を義務付けたのは20年5月だから、約2年ぶりの着用義務解除となる。
なお、今回の発表にあわせ、サンパウロ市でも、閉鎖空間でのマスク着用義務を解除する方針を明らかにした。
サンパウロ州が閉鎖空間での着用義務解除を前倒しした背景には、学校などが1日も早く着用義務を解除してほしいと要請していた事などがあると思われるが、5~11歳児はワクチン接種未完了者が多いため、警戒は必要だ。基礎疾患のある人なども着用継続が望まれる。
★2022年3月15日《ブラジル》14州がマスク義務解除の意向=Fiocruzは時期尚早と警告=新しいデルタクロン株を不安視
★2022年3月10日《サンパウロ州》開放空間でマスク義務免除に=23日までに閉鎖空間も判断
★2022年3月9日《リオ市》閉鎖空間のマスク義務解除=接種証明提示義務も免除へ=専門家からは時期尚早との声も