最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は17日、ブラジル国内での通信アプリ「テレグラム」の利用を禁じた。同アプリはボルソナロ大統領や支持派がよく利用しており、この命令もボルソナロ派のジャーナリストの虚報が原因だった。18日付現地サイトが報じている。
モラエス判事の命令は、同アプリ内で虚報を拡散し続けていた大統領派のジャーナリストのアラン・ドス・サントス氏らのアカウント凍結にテレグラムが応じなかったためだ。テレグラムの凍結を求めたのは連邦警察で、モラエス判事がそれに応じた。
テレグラムはツイッターやフェイスブックといった大手のSNSサービスが虚報や暴力的表現に対する投稿削除やアカウント凍結を厳格化した後に、表現の自由を求めた人たちが使用しているサービスだ。フェイスブックやツイッター、インスタグラムのアカウント凍結を受けているトランプ前米国大統領が使用していることもあって、ブラジルに限らず、極右主義者の人からの人気が高い。
テレグラムは虚報拡散の他、麻薬や偽金の売買、ナチズム宣伝、ワクチン証明の販売などにも使われていた。
モラエス判事は最高裁内のネット犯罪対策の捜査担当者で、虚報と暴力的発言を繰り返す米国在住のアラン氏への逮捕命令を出すなどして、大統領やその支持者とはかねてから強く対立している。