日本政府は15日、サンベルナルド・ド・カンポ市にある柔道施設「Centro de Excelência Esportiva de Judô」へ、畳377枚を寄贈した。今回の寄贈は、パウリスタ柔道連盟(アレサンドロ・プグリア会長)との「草の根文化無償資金協力『パウリスタ柔道連盟柔道器材整備計画』」事業によるもので、同日、供与式が行われた。
同柔道施設は、サンベルナルドオリンピック競技場(Arena Olímpica São Bernardo)の施設内にあり、柔道ブラジル代表の強化練習などにも使用されている。パウリスタ柔道連盟は、ブラジル代表選手を多数輩出する名門で同施設を利用している。激しい稽古により、畳の損耗が著しく、十分な練習を行うことができていなかったという。
供与式に出席した在サンパウロ総領事館の小室千帆首席領事は「柔道を通じて日伯両国の絆が深まることを期待しております」と述べ、アレサンドロ会長は「供与事業のおかげでブラジル一の柔道施設になりました」と喜びを語った。
同事業計画は2019年、アレサンドロ会長とブラジル講道館会長の故・関根隆範さんが企画した。供与式には関根さんの妻、関根いつ子さんも出席し「主人はブラジルで学校柔道を普及するのが夢でした。存命中にサンパウロ州内の奥地やマット・グロッソ・ド・スル州の公立学校の授業で柔道が取り入れられるようになりました。本施設には公立学校が隣接しており、将来への夢がさらに広がります。主人が生きていたら、どれほど喜んだことかと思います」と話した。
同施設では、ブラジル各地から訪れる選手たちのための寄宿舎の改修も進められている。