2月15日の豪雨被害からの回復途上にあったリオ州山間部のペトロポリスが再び豪雨に見舞われ、5人が死亡、3人が行方不明となっていると21日付現地紙、サイトが報じた。
2月の豪雨では6時間で259ミリという豪雨を記録。市内各所で起きた土砂崩れや洪水で233人の死者が出た上、未だに行方不明者4人の消息がつかめずにいた同市を再び豪雨が襲った。
同市の3月の月間平均降水量は240ミリだが、今回は20日午後7時過ぎまでの4時間で207・8ミリを記録。市中央部のインペラトリスやインペラドール、テレーザといった商店街では、降り始めからわずか15分で道路が水で覆われ、川と化した上、前回豪雨の被害者を偲んで広場に立てられた十字架も流された。
強い雨はその後も続き、10時間の雨量はサンセバスチアン区415ミリ、コロネル・ヴェイガ区375・2ミリ、ドウトル・トウゼッチ区363・8ミリなどと報じられた。21日未明までに防災局に入った通報は95件を超え、2月にも多数の死者が出たオフィシナの丘2人、ワシントン・ルイス区2人、ヴァルパライゾ区1人の死亡が確認された。また、ワシントン・ルイス区では不明者も3人出ている。
他方、5月24日街やペドロ・ジョゼ・ストゥンプフィ街、オルガ・カストリオト街などでも土砂崩れや洪水で孤立化した人などが出て、21日昼までに31人が救出された。
今回の豪雨では、前回豪雨で被害が出た危険地域の人達にも避難を命じるサイレンが鳴らされたのに、死者が出た。これに関してリオ連邦大学のアダクロ・オトニ教授は、「サンパウロ州やリオ州、ペトロポリスでは、市街化計画や危機管理といった分野の政策が機能していない」と明言。「何かあるとすぐに予想を超えた雨が降ったと言い、地球温暖化のせいにするが、解決法や対策があっても実行に移せていない」とし、「山沿いの地域に防護壁を築き、川底の土砂を取り除く、山の斜面への植林といった対策が急務」と語った。
なお、週末はウバツーバやアングラ・ドス・レイスといったサンパウロ州やリオ州の海岸部でも300ミリを超える雨が降った地域があり、洪水や浸水、土砂崩れに倒木といった被害が起きて、避難所に退避する必要のある人も出ている。
海岸部や山間部の雨は21日から22日にかけてもまだ続く見込みだ。
★2022年2月24日《リオ州》ペトロポリス豪雨の死者204人に=新たな土砂崩れや洪水も発生
★2022年2月22日《リオ州》豪雨の死者は180人に=ペトロポリス最悪の惨事に=無対策や対策遅れの市多数
★2022年2月19日《リオ豪雨》死者・行方不明者が347人に=大統領がペトロポリス視察=上院も委員会設置して派遣