ブラジルの守護聖母ノッサ・セニョーラ・アパレシーダはその名前を冠した祝日があるほど、国民と一体化しており、10月12日の祝日はその名前がついた大聖堂が多くの信者で埋まる。
祝日前後には、願いが叶った事を喜び、祈願時の約束を果たすためにノッサ・セニョーラ・アパレシーダ大聖堂に向かう人々が街道を歩く姿も頻繁に見られる。
しかし、願いが叶った喜びを表す方法は、同大聖堂を訪れてミサをささげるだけではない。16日付G1サイトや同日付マイス・ゴイアスサイトなどによると、ゴイアス州ゴイアニア在住のリビア・ゲレイロさん(91)は15日、孫が医学部に合格した事に感謝し、生まれて初めての刺青を右腕に入れてもらったという。
孫は勉強する事で自分のする分を果たしたから、自分はノッサ・セニョーラ・アパレシーダの刺青を入れる事で祈願成就の感謝の思いを示そうと考えたというリビアさんは、できるだけ人目につく場所を選んだという。
刺青師は、リビアさんが高齢かつ初めてにも関わらず、自分自身で絵柄を選び、痛みなどを訴える事もなく刺青を終えた事に感嘆。本人に負担がかからないよう、線画で終えるつもりだったが、本人が「ノッサ・セニョーラ・アパレシーダは『褐色の聖母』とも呼ばれているから」と申し出て、肌の部分を褐色に色づけする事も求めたという。
リビアさんを刺青師のところに連れて行ったのは長女のマルシアさんだが、予約や絵柄の選択はリビアさんが行っており、腕に刻まれたノッサ・セニョーラ・アパレシーダを見て本当に満足し、小鳥のように幸福感を表していたという。
リビアさんは「ちっとも痛くなかった。絵柄にもとても満足しているわ」とすっかりご満悦だが、驚いたのは孫のペドロ・エンリケさんだ。母のマルシアさんから送られてきた写真で91歳の祖母が自分のための祈願成就で刺青を行ったと知ったペドロさんは、「冗談だと思っていたのに」と言いつつも、「よくできてる。感動で言葉もでない」と心中を語った。