《ブラジル》ボルソナロが副候補にブラガ国防相示唆=「勝算よりも国政を重視」= またしても軍人にこだわる

ブラガ・ネット氏(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領は21日、大統領選での副候補として、現国防相で陸軍大将のヴァルテル・ブラガ・ネット氏を強く希望していることを明らかにした。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
 これは、ボルソナロ大統領がミナス・ジェライス州州都ベロ・オリゾンテで、「ジョーヴェン・パン」局のインタビューに応じて語ったことだ。
 ボルソナロ氏はそこで、「副大統領には、在任中に大統領の椅子を狙ってやろうなどとは決して思わないタイプの人間を選ばなくてはならない」「私が考えている人物はミナス・ジェライス州出身で、軍学校卒業生だ」と語った。
 ブラガ・ネット氏は以前から副候補として囁かれていた一人で、ミナス・ジェライス州出身で軍学校卒業という条件に該当するのは同氏となる。
 副候補に関しては、現職のアミウトン・モウロン副大統領がリオ・グランデ・ド・スル知事選もしくは上院選に出馬するため、3月いっぱいでの辞任が決定的なために浮上している話だ。だが、それ以前から、モウロン氏はボルソナロ氏が強い社会的な批判にさらされているタイミングで大統領と異なる意見を公言し、「大統領の座を狙っているのでは」と疑われる機会が少なくなかった。
 ボルソナロ氏は、副候補には「選挙で有利になる人よりも、国政のためになる人を選びたい」とも語った。これも、連邦政府が大統領に対してテレーザ・クリスチーナ農相(ウニオン)を副候補に強く推薦していたことを意味している。政府としては、女性票の弱いボルソナロ氏に女性の副をつけることで女性票獲得を望んでいた。さらに、農業部門は常に、連邦政府への支持を得るために不可欠な部門であるためだ。

 この件に関しては長男のフラヴィオ上議も賛同し、父ボルソナロ氏にテレーザ氏を副に迎えるよう説得するのではとも報じられていたが、大統領は軍人を副候補にと強く望んでいた。また、テレーザ氏も上議選への出馬を強く望んでいる。
 このインタビューでは、ボルソナロ政権元環境相のリカルド・サレス氏がインタビューワーの一人だったが、彼がブラガ・ネット氏の名を挙げ、「偉大な大将で忠誠心が強い」と褒め称え、副候補になることを強く希望していると発言した。
 ブラガ・ネット氏はテメル政権下の2018年にリオ州の治安部門に直接統治令が出された際、軍による統治担当のトップとして注目された。ボルソナロ政権でも大統領がアウグスト・エレーノ大統領府安全保障室(GSI)長官と並んで信頼を寄せている軍人官僚で、国防相の前は官房長官も務めていた。
 ただ、威嚇的な言動が度々問題になり、昨年はボルソナロ大統領が熱望した選挙での印刷つき電子投票の審議をアルトゥール・リラ下院議長に強要しようとして脅した疑惑などが話題を呼んでいた。
 ブラガ・ネット氏はまだ政党に所属しておらず、出馬するなら所属が必要となる。現状では、大統領と同じ自由党(PL)入りが有力視されている。

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