パライバ州パトス市のジャルジン・グアナバラ区で19日午後、13歳の少年が母親と弟を射殺、父親にも撃って下半身不随にさせるという事件が起きたと19~22日付現地サイトが報じた。
事件の発端は、母親から成績が落ちているし、家の事も手伝わないと叱られた上、インターネットでゲームをしたり、友人と連絡を取り合ったりするのに使っていた携帯電話を父親に取り上げられた事だという。
母親が使う薬を買いに、父親が外出したのを見届けた少年は、母親の携帯電話を7歳の弟に渡し、自分達の寝室に行かせた。退役軍警の父親が保管していた銃を取り出し、両親の寝室に入り込んだ。
母親がベッドに横たわり、ほとんど眠っているのを見た少年は、母親の頭に銃を当て、引き金を引いたという。
銃声に気づいた弟が飛んできて「お母さん」と叫んだ後、組み付いてきた。弟ともみ合っていた時に、父親が帰ってきて二人を引き離した後、「銃を捨てろ」と少年に命じた。
だが、少年はそれに従わずに父親に向かって銃を発射した。父親が胸に被弾して倒れたのを見た弟が父親に抱きついたため、少年は弟の背中にも銃弾を浴びせたという。
少年によると、父親が被弾後、「なぜこんな事をしたんだ」と訊いたため、まだ生きていた事に驚きつつ、「いつも成績の事ばかり言って、他の事はさせてくれなかったじゃないか。僕はいつも圧力を感じていたんだ」と答えたという。少年はその後、銃を元通りの場所にしまい、救急車を呼んだという。
母親と弟は即死だったが、父親は息があったため市内の病院に運ばれた。だが、重体のため、同日中にカンピーナ・グランデ市の救急病院に移された。21日の報道によると、父親は意識もあるが下半身不随になる可能性があるという。
警察は当初、少年も殺人事件に巻き込まれたが危うく難を逃れたと見ていた。だが、少年の供述に矛盾が見られた事で、取り調べを重ねるうちに少年自身が自分が犯人だと自供。担当捜査官は「少年は供述する間、一瞬たりとも涙を流さなかった」と報道陣に語っている。ただし、後悔の念は示したため、その日の内に社会更生施設に移された。
10代の少年による家族銃殺事件としては、13年8月5日にサンパウロ市北部のブラジランジアで起きた、13歳少年が軍警で40歳と35歳の両親、母方の祖母(65歳)、その妹(55歳)を殺した後、自害したとされている事件がある。
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