21日、ドルが2021年6月以来初めてとなる5レアル割れを起こし、終値は4・9440レアルとなった。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
21日の終値は、21年6月30日に4・9728レアルを記録して以来初の1ドル5レアル割れとなった。
この結果、ドルは1カ月間で4・12%、1年間では11・32%下がった。
今回の結果は、ウクライナ危機の終わりが見えない中、コモディティの国際価格が値上がりする一方でその輸出国であるブラジルに投資が集まる傾向が強まり、経済基本金利(Selic)が世界4位の11・75%になったことや、最近のブラジル経済指標の動きなど、様々な要因が影響してドル安に向かっているといわれる。
コモディティでは、ブレント原油価格が今週に入って4%上がって1バレルあたり110ドルになり、ペトロブラス関連株に外国投資が集中し、ドル安を推し進めた。
また、米国の中銀に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が先週、政策金利を0・25%引き上げたのに続き、5月にも0・5%ポイントの利上げを支持する発言を行った。本来なら米国利上げは新興国にある外資の米国還流を促すと言われるが、今回ブラジルでそれが起きていない。そのため、ドルが下がり続けている。
ドルは22日も下がり続け、一時は4・9051レアルまで落ちた。この日は結局、4・9142レアルで終わった。
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