救済会総会=新会長に本田イズムさん就任=創立80周年、日本政府支援に感謝

オンラインで総会に出席者した皆さん
オンラインで総会に出席者した皆さん

 老人福祉施設「憩の園」を運営する救済会(吉岡黎明会長)は12日午前10時、第70回定期総会をオンラインで開催し、新会長に専任理事、副会長を長年務めてきた本田イズムさんを選任した。吉岡会長は「バトンを本田さんに渡せてホッとした。全ての職員と理事、協力者に感謝したい」と述べた。初の2世会長だった吉岡さんから、初の3世会長にバトンが渡された。

 定期総会には約50人が出席。最初にこの1年間で亡くなった功労者、名誉会長の左近寿一さん(としかず)、監査の小川英輔さん(えいすけ)、顧問会の吉岡サダジさん、下本八郎さん、若林和男さんに黙祷が捧げられた。
 本田さんは冒頭「サンパウロ日本人カトリック救済会として1942年6月に活動を開始したので、今年は80年を迎える」と歴史を振り返り、昨年度の活動実績として21年12月の入居者を43人と発表した。

本田会長
本田会長

 パンデミック以前から、経営難のため入所者数は19年12月で66人、20年12月で51人と減少傾向にあり、昨年更に減ったことになる。その分、経費が少なくなり、経営負担も減ることになるという。昨年の入所希望者は男性100件、女性228件の計328件あったが、入所したのは男性1人、女性2人だった。
 半自立者棟には男性3人、女性8人の計11人、要介護棟には男性6人、女性26人の計32人が収容されている。
 パンデミック中、職員全員がN95マスクを常用し、コロナの疑いのある人は隔離処置をした。隔離対象者はピーク時の20年9月に35人、21年6月に29人になった。だが、実際にコロナ陽性が確認されたのは20年に2件、21年に2件(入院対応)、22年に1件(死亡)だけ。職員の感染は3年間で計39件だった。
 外部からの面会は厳しく制限したが、家族との面会はタブレットを使ったオンライン式で実施した。誕生日会などの園内活動は継続され、昨年末の紅白歌合戦や今年のカーニバルといった園内行事、喫茶店や売店、運動広場などの施設活動も維持された。
 コーディネーターの西村タチアネさんは「入園者は皆4回目のワクチン接種を心待ちにしているところです」と胸を撫で下ろしながら報告した。
 本田さんは「JICAのおかげで全室にトイレを完備し、台所の改修、野外トイレ設置、温かいまま運べる食事配膳台などが実現した。本当に感謝に堪えない」と写真を見せながらお礼を述べた。改修工事総額約84万レアルのうち9割の75万レが助成金だった。
 また、昨年11月28日に行われた「感謝ライブ」についても、テレビニュースで毎日の様に目にした有名伯人医師や研究者らが6人も参加し、本格的な感染予防イベントを行えたと外務省の支援に感謝の言葉を述べた。
 続いてブルーノ・カウケヴィシウス会計理事が21年度会計は収支ともに709万7942レアルだったことを報告し、承認された。22年度予算は収支ともに723万78123レと発表、その場で承認された。
 最後に22/23年の理事会シャッパ(候補者名簿)が以下のように発表され、承認された。会長=本田イズム、第1副会長=相田祐弘(やすひろ)、第2副会長=上島中田悦子、専務理事=岩本卓(たかち)ジェロニモ、第一書記=畑中初美、第2書記=片岡研二カルロス、第1会計=関秀貴、第2会計=武藤ハルエ・ラウラ、顧問会71人。
 選任された本田会長は「大変光栄に感じる。救済会に関わり始めて22年。その間、多く人の姿に学んできた。創立者の想いを忘れずに2年間を務めたい」との抱負を述べた。

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