ノロエステ連合日伯文化協会(本田秀人会長)が20日、「第62回定期総会」をアラサツーバ日伯文化協会会館で開催し、連合傘下30団体の内、25団体から代表者約70人が参席した。コロナ禍により活動停滞や停止が散見される中、「再開(Retomada)」を訴える声が相次ぎ、例年8月末に開催されてきた伝統のノロエステ盆踊りを今年はブラジル独立200周年記念のイベントとして開催することを決めた。
2年前の前回総会時、傘下団体は34を数えたが、今回は30に減った。各団体からの参加者は、コロナ感染防止観点から、2人までと制限した。一昨年まで安永信一さんが会長だったが、本田秀人さんに交代がしていた。
日本とブラジル両国歌が斉唱された後、先亡者に黙とうが捧げられ、本田会長が「総会は2年ぶりの開催、コロナを乗り越えて活動再開を」と開会のあいさつをした。
白石一資顧問に続いて、ブラジル日本文化福祉協会の西尾ロベルト会長代理が「サンパウロ市ではセルラー(携帯電話)を手に道を歩くと強盗に狙われる。この国のモラルは悲しい現実がある。だからこそ、そこに日本文化を根付かせて貢献することが我々の役割」と語った。
ブラジル日報協会の蛯原忠男理事長は教育大臣との会見内容を報告。アウト・アレグレイ市のイバマ・ススミ・カルロス市長は「約束を守るという日系人の価値観を市役所運営に持ち込む」と宣言した。サンパウロ州商業評議会会長だった飯星ワルテルさんは「パンデミックの間に役所のデジタル化を推し進め、今では30分で起業登録ができるようになった」と語った。
ジラドール・ボルジェス・アラサツーバ市長は「日本移民がこの地域を大きく発展させた。日本移民の組織作り、決断など多くを我々は学んだ」と称賛した。
21年会計報告では収入7553・42レアル、支出5387・47レ、繰越金約3万8千レで承認された。会費は、傘下団体の会員数に5レアルを掛けた金額を連合会に納めることが申し合わされた。ご祝儀、香典などは50レアル。盆踊りの提灯の値段も大50レアル、小30レアルに決められた。
22年の活動予定の議論では「活動再開」の要として8月27日(土)の盆踊りを、ブラジル独立200周年記念行事として特別開催することになった。前日26日(金)をノイチ・オリエンタル(東洋の夜)として各種芸能を披露するなど、盛大なお祝いになりそうだ。
出席者からは「マリリアやプレジデンテ・プルデンテでは立派な日本祭りがすでに行われている。これを機会にアラサツーバでもノロエステ日本祭りのようなイベントを育てては」という意見が相次いだ。
傘下団体におけるコロナ禍の影響についての報告も行われた。イベント中止だけでなく、事実上、活動停止状態になった団体も見られ、バウルー日伯文化協会などからは「会員が半分以下に」「会長が他の町に引っ越してしまい、新会長も決まっていない」などの悲鳴のような声も上がっていた。
ただし、リンスやグアララペスなどからは活動再開計画が語られ、本田会長からは「連合として大きなイベントを実施して収益を上げ、それを参加団体に配れるような形にできれば」との再建アイデアが語られた。
当日は桑名良輔在サンパウロ日本国総領事がビデオメッセージを寄せたほか、文協の西尾ロベルト会長代理や桂川富男団体渉外委員会代表、小林パウロ・インスティトゥトの小林ビットル代表、ブルーツリーホテルグループ国際部の広瀬純子さんが支援の受け方や協力方法などについて講演した。