【既報関連】別名「教育省影の内閣」と呼ばれる福音派グループが、彼らを介して連邦政府からの事業支援を求める市に対して、金塊1キロの賄賂を求めていたことも発覚し、連邦検察庁が捜査に乗り出す意向を見せている。23、24日付現地紙、サイトが報じている。
この問題は21日、ペンテコステ系福音派教会「アッセンブレイア・デ・デウス」の要人で教育省と人脈があるジウマール・サントス、アリウトン・モウラ両牧師が、自分たちが関わる市への連邦政府の資金援助を求めてロビー活動を行い、ミウトン・リベイロ教育相が「ボルソナロ大統領から優先的に計らうよう頼まれた」と応じた録音をフォーリャ紙が公開したことで大きな問題となっていた。
23日、そこに追い打ちをかける報道が行われた。同日付のエスタード紙が「アリウトン氏から賄賂として金塊を要求された」と主張する人物の談話を音声付きで報じたのだ。
告発を行ったのはマラニョン州ルイス・ドミンゲス市のジルベルト・ブラガ市長(民主社会党・PSDB)で、昨年4月、リベイロ教育相に保育園や学校設立のための援助を求めた交渉の後、立ち寄ったブラジリアのレストランでアリウトン氏から「今回の交渉は1千万レアルを超える規模なのだから、(仲介役の)自分に1万5千レアルは払ってもらわないと」と迫られたという。
アリウトン氏はさらに、ルイス・ドミンゲスが鉱山資源の産地であることを知ってか、「金塊1キロ」を要求してきたという。ブラガ氏は驚いて返答に窮したが、結局、その要求には応じなかったという。金塊1キロは現在の価値で30万4千レアルとされている。
ブラガ氏は昨年4月にブラジリアでリベイロ教育相と会談を行っている姿を自身のインスタグラムの写真で公開しており、交渉を裏付ける証拠もある。
この報道がスキャンダルにさらに追い打ちをかけているが、リベイロ教育相は23日、CNNブラジルのインタビューで、圧力が強まっているが自身の辞任はないと強く主張。「ボルソナロ大統領もあの録音にはこれ以上問題となるものはないと言ってくれている」として、大統領に解任の意思がないこともアピールした。
だが、同件を巡る風当たりはさらに強まっている。連邦検察庁のアウグスト・アラス長官は23日、リベイロ教育相が市に支出した援助金に関する捜査を求める意見書を提出した。また、国立会計検査院(TCU)もこの問題を重く見て、教育省の支出を調査する意向を示している。
同件を巡っては真相解明と、ボルソナロ大統領とリベイロ教育相の責任を問う訴えが最高裁に出ており、カルメン・ルシア判事が担当することになった。
また、ブラジル社会党(PSB)は下院でもこの問題を議題にするべきだとして委員会設置などの要請を出しており、リベイロ教育相もアルトゥール・リラ下院議長に、「必要とあらば下院で証言は行う」意向を示している。また、ロドリゴ・パシェコ上院議長も、「リベイロ氏は説明を行うべきだ」との見解を示している。