【既報関連】2月15日と今月20日に記録的な豪雨に襲われたリオ州山間部のペトロポリス市では、22~23日にも新たな遺体が回収され、水害による死者が計241人になったと22、23日付現地サイトなどが報じた。
同市では、3月4日の時点で2月の豪雨での死者は233人、不明者は4人と報じられていた。だが、22日付アジェンシア・ブラジルによると、13日にも1人の遺体が回収されたため、2月の豪雨の死者は234人、不明者は3人となっていた。
そこに追い討ちをかけたのが20日の豪雨だ。今回の豪雨では、21日現在で死者5人、不明者も3人とされていた。
リオ州消防隊や州防災局などによる不明者捜索は捜索・救助班や森林・環境救助隊などの特別班の支援も得て続けられ、22日には死者が出ていた市中央部ワシントン・ルイス街の現場から男性2人、翌日は女性1人の遺体が回収された。
22日に遺体が見つかったのは、86歳のエロイザ・エレナ・カルデイラ・ダ・コスタ氏が住んでいた家の倒壊現場だ。彼女は運動障害があり、退避命令が出た時も一人では逃げられないため、息子で同市内の私立大学で教鞭をとっていたネルソン・リカルド・フェレイラ・ダ・コスタ氏(59)とその友人でリオ連邦大学の哲学教授のマリオ・アウグスト・ケイロス・カルヴァーリョ氏(35)が救助に向かった。
だが、彼らが退避しようとしていたその時、土砂崩れが起き、家屋は全壊。3人共土砂に巻き込まれた。エロイザ氏とネルソン氏、マリオ氏の3人は21~22日に遺体となって見つかったが、マリオ氏の飼い犬は倒壊から24時間後に無事に救出されたという。
ネルソン氏やマリオ氏は共に周囲の人を助け、そばに寄り添うタイプの人物で、学生からの人望も厚かったという。各大学は両教授の死後、哀悼の意を表明している。
23日には同じワシントン・ルイス街でミリアン・ゴンサルヴェス・ド・ヴァレ氏(32)の遺体も回収された。彼女の夫は救出後、入院加療中だ。子供達は親戚の家にいて難を逃れた。
消防によると、彼女の遺体回収で、今回の豪雨による不明者は0となった。また、今回の豪雨による死者は計7人となったという。これにより、2月15日以来の豪雨による死者は241人、不明者は3人となった。