【既報関連】ロシア軍によるウクライナ侵攻から1カ月となる24日、国連総会が再び、ロシア軍の即時撤退を求める決議を採択し、ブラジルも賛成票を投じたと同日付ブラジル国内サイトが報じた。
ロシア軍によるウクライナ侵攻は1千人を超える民間人の死や短期間での大量難民などの「人道的な危機」を招き、国際社会からの批判の声や経済制裁などの圧力が日毎に高まっている。
24日の総会は、市民保護など、現地の人道状況改善を求める決議案を採択するための緊急特別会合で、ロシアによる軍事侵攻を批判し、即時撤退を求める2度目の決議を採択した。今回は賛成が140カ国、反対が5カ国、棄権が38カ国という結果となった。
決議採択に反対したのはベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリア、ロシアで、3月2日の決議採択時と同じ態度をとった。棄権したのは、中国やボリビア、キューバ、エルサルバドルなどだ。
ウクライナのキスリツァ国連大使は決議採択に先立つ23日、「ロシアによる軍事侵攻で人道状況はますます悪化し、占領地域では人々が飢え死にし、逃げようとしても殺されている」とロシアを強く非難した。
他方、ロシアのネベンジャ国連大使は、「市民は攻撃していない」「この決議案は反ロシアの政治的なショーだ」と反論した。
だが、ウクライナ国内で病院や学校も含む民間施設が攻撃されている事は様々なメディアが報じており、ロシア側の反論に同調する国は僅かだ。
ブラジルはボルソナロ大統領が中立という立場を貫こうとしており、ロシアの「敵対国」リストからも外されているが、国際社会はボルソナロ氏の姿勢に対する批判の声を高めている。
なお、ブラジルのジョアン・ジェネジオ・デ・アルメイダ国連大使は、安保理でも総会でも一貫して、ロシア軍の即時撤退を求める姿勢を貫いている。