【パラグアイ・ビジネス・ニュース3月5日付】大豆業界は今日、収穫が進むにつれ、見通しが悪くなるという近年最悪のシナリオを辿っている。今年半ばまで、業界は加工用の原材料のストックを有しているが、それ以降、パラグアイはアルゼンチンなど地域から、史上初めて大豆を輸入しなければならならず、良い兆候ではないと関係者は語る。2月21日付現地紙サイトなどが報じている。
パラグアイ穀物・油糧種子貿易会議所(Capeco)の農業アドバイザリー補助のL・ラミレス氏は、打撃は純粋に収穫の成果によるもので、多くの生産者は契約を守るため借金をしなければならないと説明した。業界の大部分はアフリカンコーンへの転向を図った。
【損失】
Capecoが収集した最新のデータによると、収穫の進捗状況83%を基に、うち67%が打撃を受けており、割合は増加する可能性があるという。
「950万トンをベースとした計算で、67%の下落がみられる。このラインは修正されていくが、影響は軽く70%を超える可能性がある」と詳細を述べた。
現時点までの実際のデータを基に、67%の不作は640万トンの損失に相当し、2022年 11月までの市場の平均価格は1トン当たり約569ドル(Agrofy、2月 17日データ)となり、国内流入予定の360万ドルを不作により失うことになる。この金額は、バリューチェーンへの影響を考慮していない。すなわち、より深刻な打撃を受ければ、この影響は更に大きくなる可能性がある。
【効率】
同氏は、Capecoが行った最近の国内農業地域訪問にて、懸念すべき収穫量であると述べた。最悪のケースでは1ヘクタール当たり300キロの収穫となり、最良でも800から1千キロの収穫である。現時点での1ヘクタール当たりの平均収穫は900キロである。
「サンペドロの1部地域では、1ヘクタール当たり600キロの収穫で、Canindeyuでは 1千キロである。
収穫を終えるにつれ、平均値は一層低下する可能性がある。これは、国内北部の状況が繊細なためである。国内平均は1千キロ以下で900キロを前後している。また、穀物の品質の低下については述べてすらいない」
【代替手段】
割れやしわがある低品質な大豆はまた、次の種まきの時期に影響を与える。市場には生産のために必要な種子が不足しており、多くの生産者は供給を継続するための代替手段を模索しなければならない。
「種子を入手できた生産者は、現在の市場価格ではカバーできない契約遵守のために、大豆を植える。しかし、多くの生産者とそれに伴う輸出企業との契約も全うすることが出来ていない。そのため、契約と負債をカバーするために、大豆を植える事の出来ない生産者がアフリカンコーンに集中する」と述べた。
また、将来の土壌条件にも影響を与え、のちの収穫量にも影響する可能性もあるという。「土壌管理においては既に違いが顕わになっている。多くの生産者は予算を得るため、収入をもたらす作物への舵きりを行い、土壌改善の可能性を捨てた。まさにドミノ崩しの状況である」と述べた。(出典=PBNサイトhttp://pybiznews.wix.com/paraguay-biz-news)