JICA門屋次長帰朝=休日に史料館ボランティアも=後任に川村さん、首都に青木次長

青木ブラジリア出張所次長、川村次長、門屋次長
青木ブラジリア出張所次長、川村次長、門屋次長

 JICAブラジル事務所の門屋篤典次長が4月に帰朝する。8日、川村怜子さんへの次長交代が行われ、24日、門屋前次長と川村新次長が、交代挨拶のため、今年2月頃に赴任したブラジリア出張所の青木一誠次長とともに編集部を訪れた。
 門屋前次長は2018年6月頃、ブラジリア事務所に赴任し、1年後にサンパウロ市への事務所移転のため、同市に転居した。赴任期間の印象的な出来事について門屋前次長は「コロナ禍に対応するため実施した日系団体向けの助成事業では、これまで話した事の無かった日系団体と話す機会になりました」と振り返り「少しでも困っていた日系団体のお役に立てたなら幸いです」と述べた。
 コロナ禍前、ブラジル事務所では日系社会向けの助成事業は1年7件ほどだった。去年は同助成事業にブラジル内の日系団体から150件の申請が提出され、そのうちの120件が承認されたという。
 また、門屋前次長は休日を利用して、文協内の移民史料館で保存している邦字紙や刊行物をマイクロフィルム化した史料のコマ数を数えるボランティアにも従事していた。
 川村新次長は、アフリカ北部などのフランス語圏への出張や、中国への駐在経験を持つ。ブラジルへは初赴任。「多様性に富んでいて、日系人の方が活躍しているためか外国人扱いされず、逆に道を聞かれる事もありました」と初滞在のブラジルへの印象を語る。
 また「助成事業に申請した団体から改修前後の写真などがたくさん届いています。パンデミックが転じてJICAと日系社会の強い絆ができたと思うので、是非訪問して交流の機会を探っていきたいです」と展望を語った。
 ブラジリア出張所の青木次長は主に政府機関向けの融資や研修事業を担当する。「担当はブラジル政府向けがほとんどですが、職務中に日系の方々が築いた信頼の存在を感じます。資金協力や技術協力からブラジルの発展を支え、日伯関係強化に繋がればと思います」と意気込みを語った。

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