《ブラジル》「絶対に諦めない!」父殺害犯を12年間独自に追跡=ネットで所在調べ上げて通報

父親を殺した犯人を12年かけて追跡した息子の件を報じる23日付G1サイトの記事の一部

 サンパウロ州南部海岸地帯のレジストロ市で、12年前に父親を殺された青年が手を尽くして容疑者を独自に追跡。ついに所在を突き止め、警察や市警備隊に通報した事で犯人が逮捕されたと23日付G1サイトが最初に報じ、たくさんのメディアが後追いした。
 事件が起きたのは2010年、当時38歳だったエルデル・アルヴェス氏は、暴行や脅迫を受けた事を届け出るために警察に向かったが、警察署の手前で凶弾を浴びた。容疑者が放った銃弾2発の内、1発が心臓に命中したためエルデル氏は帰らぬ人となった。
 犯人はその後の捜査で特定され、逮捕令状も出たが、その時は行方をくらました後だった。だが、当時16歳だった息子のレアンドロ・ロドリゲス氏は泣き寝入りする事を嫌い、犯人追跡を決意。ある警官から裁判所で事件に関する情報を入手できる事などを教えられた。
 その後の努力で研修生として裁判所で働く道が開かれたレアンドロ氏は、容疑者に関する情報を入手したらすぐにでも犯人を追跡しようと考えていた。だが裁判所にあった情報では犯人の足取りがつかめず、自分の手で新たな情報を探し始めた。
 裁判所で見た報告書には被弾直後の父親の写真などもあり、いたたまれなくなったレアンドロ氏はレジストロ市を離れた。だが犯人を見つけ出したいという気持ちは一瞬たりとも失わなかった。

 転機となったのは、容疑者が本名を使い、セルジッペ州都アラカジュ市で会社を開設した事をインターネットで確認できた事だ。ただし、電話番号はパラナ州都のクリチバ市のものだった。 
 レアンドロ氏はアラカジュ市の警察と連絡をとり、その会社が容疑者のものである事を確認すると、会社の納税者番号(CNPJ)でPIX送金を行い、容疑者の氏名を確認。携帯電話の番号でPIX送金しようとしたところ、容疑者の妻の名前も分かったという。
 レアンドロ氏はSNSで容疑者の妻のアカウントを見つけ、容疑者のプロフィールを確認。容疑者がパラナ州のファゼンダ・リオ・グランデに住んでいる事も突き止めた。
 同氏はその後、市警諜報部、市警備隊、容疑者の妻のSNS上の友人の警官と連絡を取る事に成功。容疑者の妻の友人が容疑者の所在を突き止めるのを手伝ってくれたため、市警備隊が容疑者を逮捕したという。
 レアンドロ氏はG1サイトの取材に応じて12年間を振り返り、「犯人逮捕で少しだが心が晴れた。やっと犯人も自分の罪を償う事になる。人生の全てだった父親を殺した犯人の追跡を諦めた事は一瞬たりともなかった。犯人が会社を開設した事が、犯人の発見逮捕につながった」と語っている。

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