連邦政府が25日に提示した、遠隔勤務や食料手当に関する暫定令(MP)が28日から発効となったと25、28付現地サイトが報じた。
25日に提示されたMP二つは経済や経済活動再開のための「収入と機会計画」の一環で、28日付連邦官報に掲載された。MPは官報掲載と同時に効力を発するが、6カ月以内に連邦議会で承認されないと、法的な効力を失う。
遠隔勤務に関するMPは、新型コロナのパンデミックのような非常事態の際の労働者の権利としての休暇や福利厚生上の権利の前倒し取得なども定めている。
同MPでは、遠隔勤務だけでなく、対面勤務と遠隔勤務を組み合わせた「ハイブリッド型」の勤務形態を正式に認めた。また、その契約形態を、時間制契約と生産性による契約から選べるようにしている。
遠隔勤務はパンデミックで急増したが、ワクチン接種の進展やコロナ禍が落ち着いてきた事などで対面勤務を要求する職場が増えた。ただ、業務内容によっては遠隔勤務継続が可能、または対面でなくても勤務できる場合があり、正式な法の整備が待たれていた。
MPでは、遠隔勤務の場合は契約書にも明記する事や雇用者と労働者の間でハイブリッド型の勤務形態や対面勤務の日数などを選択できる事、障害者や4歳以下の子供を持つ人は優先的に遠隔勤務とする事などを定めている。遠隔勤務は研修生などにも適用できる。
遠隔勤務だと国外勤務の可能性もあるが、この場合は在住地の労働法に従う事になる。また、遠隔勤務で生じるインターネットや電気代などの経費は会社に請求できる。
また、勤務時間を定めた時間制勤務だと時間外手当などの規定も遵守されるが、業務上、時間帯は本質的な条件ではない場合は、好きな時間に働いて規定業務をこなせばよいため、時間外手当などは適用されない。
生産性に基づく契約の場合の勤務時間帯は、規定時間の前後1時間のように一定幅を持たせるフレックス制とは異なり、タイムカードや就業時間の報告書も不要となる。
なお、食料手当に関するMPでは、カード提供会社との契約時の割引などの要請禁止や、手当の利用は食堂などで食事した場合の支払いや商店での食品類購入時の支払いだけに限定する事が明記された。後者の規定は、ケーブルテレビの支払いに食料手当を利用している例などが確認された事で定められたという。