《ペルー》カスティジョ大統領が罷免回避=賛成票が成立票数満たさず

ホセ・ペドロ・カスティージョ・テロネス大統領(ペルー大統領, via Wikimedia Commons)

 ペルーの共和国議会でペドロ・カスティジョ大統領(52)に対する罷免投票が行われたが、賛成票が規定数に届かず、失職を回避した。29日付現地サイトが報じている。
 カスティジョ大統領に対する罷免審議は28日に行われた。問題となったのは、同大統領が同国のゼネコン大手が請け負った公共事業を巡る贈収賄や職権乱用疑惑だった。
 この日の審議は8時間に及び、投票が行われる頃には既に、29日になっていた。
 共和国議会には130人が在籍し、罷免には87票が必要だが、罷免への賛成票は55票で、罷免成立には遠く及ばなかった。反対票は54票だった。

 同国議会ではカスティジョ氏の「自由ペルー」が第1党だが、与党は44人と全体の3分の1強しかいない。だが、与党議員数が3分の1を超えているため、非与党勢力が全員罷免に賛成しても86票にしかならず、当初から成立は難しいとみられていた。
 ペルーではここ5年間、政情が不安定な状態が続き、2018年にはクジンスキー大統領が罷免直前に辞任。20年はビズカラ大統領が罷免されている。
 今回も罷免は免れたものの、カスティジョ氏は就任8カ月でしかないのに、昨年の12月に続き、2度目の罷免審議だった。同氏の任期は2026年7月までの5年間だ。

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