リオ州山間部では2~3月に集中豪雨の被害が出たばかりだが、今度は寒冷前線の通過に伴う豪雨が同州海岸部を襲い、少なくとも18人の死者が出た上、風光明媚な海岸が土砂に覆われる事態が起きたと2~4日付現地紙、サイトが報じた。
1日夜からの雨は、48時間で月間平均降水量の3倍に至るところも出るほどの豪雨となり、洪水や浸水、土砂崩れなどの被害が続発。パラチーやアングラ・ドス・レイス、メスキッタでは死者が出た。
パラチーではポンタ・ネグラ地区在住の一家が土砂崩れに巻き込まれ、母親と2~17歳の子供6人の計7人が死亡。もう一人の子供は救出されたが重体だという。
アングラ・ドス・レイスではモンスアバ地区で土砂崩れが起き、少なくとも6軒が倒壊。2日時点では死者6人、不明者5人だったが、4日未明には死者10人、不明者1人となった。4日付現地紙によると、同市での雨は48時間で694ミリに上った。3日付現地紙では655ミリと報じていたから、連日強い雨が続いた事になる。
モンスアバでの死者で4日未明に見つかった2人を除く8人は、3~11歳の子供4人と31~70歳の成人4人だ。
同市沖のイーリャ・グランデでは、アラサチバ、ヴェルメーリャ、プロヴェター、アブラアン、アベンツレイロの各地区で土砂崩れが起き、倒壊家屋も出た。特に被害が大きかったのはイタグアス海岸で、土砂崩れで海岸の様相が一変。同海岸では4人が行方不明になっており、捜索活動が続いている。
同島での雨は、3日付現地紙が592ミリ、4日付現地紙が809ミリと報じている。アングラ市の市長は非常事態を宣言し、連邦政府も認定。同市では市内の原発の操業停止も依頼したが、原発側はその心配はないと返答したという。
メスキッタでは洪水被害に遭った地域から逃れようとしていた人を助けようとした38歳の男性が感電死した。
ノヴァ・イグアス市でも2日朝までで月間降水量の148%にあたる141ミリの雨を記録。1年前に開業した州立病院が浸水被害に遭った。
ラゴス地方サクアレマで土砂崩れで州道が通行不能となった他、リオ~サントス間の国道も3日夜の時点で6箇所が通行不能など、土砂崩れによる被害が多発している。豪雨や土砂崩れはサンパウロ州海岸部でも起きており、ウバツーバでも主要道路が通行不能となるなどの被害が出ている。