ペルナンブコ連邦大学では2008年、工学部の篠原アルマンド秀樹教授(2世、59)が中心となって日本語講座を開講した。翌年、国際協力機構(JICA)からボランティア派遣された大野文子さん(おおの・あやこ、47、神奈川)が講師に加わり、授業を行ってきたが、16年以降はブラジルの景気後退の影響を受けた大学が運営方針を変更し、講座規模を縮小させ、19年には閉講した。日本語講座再開にむけ、大学と協議を進めている篠原教授と大野さんに3月10日、現在の進捗を取材した。
日本語講座は、2年間で日本語検定試験N4レベル合格を目指す内容となっており、2010年からは大学の授業単位として認められた。受講修了した学生の中には、日本へ留学して博士課程へ進んだ人や、日本に就職した人、日本語教師になった人、受講後も勉強を続けてN2を取得した人もいた。
篠原教授は1994年に東北大学への留学経験を持ち「日本での体験は大変良いものだった。日本語講座はそうした機会にも繋がる。講座が日伯の交流を深める一助となれば」と日本語講座への思いを語った。
大野さんはブラジル赴任前、イタリアで教師養成学校の立ち上げに携わってきた。同講座では4クラス(1クラス=25~30人)を受け持ち、これまで1600人以上を指導した。
日本語講座には言語学部や文学部の学生が参加する印象があるが、同大学の日本語講座には工学部の学生が多く参加している。大野さんは講師時代を振り返り「工学部の学生は法則性を見つけてシステマチックに覚えるからか習得もすごく早い。講座再開が待ち遠しいです」と述べた。