ボルソナロ大統領三男のエドゥアルド下議(自由党・PL)が政治経済評論家のミリアン・レイトン氏を、同氏が軍政下に受けた拷問を持ち出してからかい、物議を醸した。4、5日付現地紙、サイトが報じている。
この問題は3日、レイトン氏とエドァウルド氏が起こしたネット上の口論に端を発している。この日の午後、レイトン氏がボルソナロ大統領を「民主主義の敵」と批判したところ、エドゥアルド氏が「コブラがかわいそうだ」と返し、大問題となった。
レイトン氏は学生で妊娠初期だった1972年に政治犯として逮捕され、10人の兵士の前で裸にされたり、殴る蹴るの暴行を受けたりした上、蛇のいる部屋に監禁される拷問を受けた。
エドゥアルド氏の発言はその直後からネット上で議論の対象となり、エドゥアルド氏に対する強い批判が巻き起こった。社会主義自由党(PSOL)とレデ(REDE)の2党は4日、エドゥアルド氏の下議罷免請求を提出。全国ジャーナリスト連盟(Fenaj)も、「軍事政権時における拷問を擁護した」としてエドゥアルド氏の罷免を求めた。
大統領選で父ボルソナロ氏と対決が予想される政治家も一斉に反応した。ルーラ元大統領は書面で「レイトン氏に連帯を示したい」と発言。シロ・ゴメス氏はエドゥアルド氏を「愚か者め」と罵った。出馬断念が伝えられるセルジオ・モロ氏も「極めて受け入れがたい」と厳しい発言を行っている。
エドゥアルド氏は大統領の息子の中でも最も発言が暴力的で、2018年には「戦車と兵士があれば最高裁は閉鎖できる」と発言。2019年には、逮捕令状がなくても軍による逮捕や検閲などができた軍政令第5条(AI5)を擁護する発言を行い、大問題となった。後者は大統領派のダニエル・シルヴェイラ下議の逮捕理由の一つともなったものだ。
レイトン氏は4日、自身のツイッター・フォロワーに、「温かい支持を頂き、感謝している」と感謝の意を示した。