日本文化の研究、啓もう活動を行ってきた「ブラジル日本会議」で理事長を務めた徳力啓三さんが、ブラジル日系人向けに２０２０年に出版した『知っておきたい日本の歴史』の改訂版が２１年１１月に再版された。同書は中学生用日本史の教科書を参考にして制作され、日本語版とポルトガル語版がある。３月２０日、徳力さんが出版報告のため本紙編集部を訪れ、本紙読者用にポ語版３０冊を寄贈した。希望者は本紙編集部で１人１冊まで無料で受け取ることが出来る。
同書は２０１６年に日本の文部科学省が承認した中学生用の歴史教科書を要約し、今後の日本の進むべき道について考察する内容になっている。改訂版では写真が追加され、日本語版にはふりがなが加えられた。
徳力さんは出版動機について「ブラジル日本会議の会長として、どうしたら日系社会をよくできるだろうかと考えた結果、自分達自身のルーツを知るべきだと思い至りました。日本の歴史はただの昔話ではありません。これは我ら日系人の歴史でもあり、我らの文化の成り立ちでもあるのです。ぜひ、我らの大きな物語を知ってもらって、日系社会の一人ひとりが自分らしさとは何なのか、自分とは誰なのか考え、そして日本の歴史に誇りをもってほしいと思います」と語っている。
同書は今後、日系書店での販売を予定している。
