サンパウロ州内陸部のヴォツポランガ市が4日にデング熱の流行発生を宣言したと5日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。同市では現在、1日平均30人のデング熱感染者が出ている。
ヴォツポランガ市は人口9万6千人の町だが、1月以降のデング熱患者は3040人で、疑似症患者も1830人いる。また、この間に、基礎疾患のあった75歳と59歳の男性2人が死亡したという。
流行発生を宣言した事で、同市では、デング熱撲滅のための資材の購入や人材確保などを加速化する事が可能となった。流行宣言の有効期間は180日間だ。
また、デング熱を媒介するカの発生につながるような溜り水や、溜り水が発生しうる資材がある土地や庭、歩道などの所有者には、30日以内に清掃を行うようにとの通達が出される。この通達に従わなかった場合は罰金徴収の対象となる。
同じ内陸部のサンジョゼ・ド・リオ・プレット市も、流行宣言は行っていないがデング熱患者が多発している。同市での感染者は2741人で、疑似症患者も入れると5958人が治療を受けている。同市でも2月に2人が死亡している。
サンパウロ市では3月30日までに1070人の感染が確認されている。昨年同期は825人だったから感染が拡大しているが、昨年も今年も、死者は出ていないという。
サンパウロ州全体での1~3月のデング熱感染者は2万4900人、死者は11人だ。昨年同期は4万3200人が感染し、16人が亡くなっているから、州全体では昨年同期より減っているが、油断は禁物だ。
同州では1~3月にチクングニア熱の患者が80例報告されているが、死者は出ていない。昨年同期は5700人が感染し、3人が死亡していた。
ブラジル全体でのデング熱患者は、1月2日から3月26日で25万8917人、昨年同期を72・1%上回っている。また、この間の死者は70人に上っている。
保健省によると、デング熱患者が多い市は、ゴイアニア、ブラジリア、パルマス、ヴォツポランガ、サンジョゼ・ド・リオ・プレットの順となっている。