【パラグアイ・ビジネス・ニュース3月19日号】ロシアは道路建設会社や薬品業界、肥料工場などのための一次資源の主なサプライヤーである。軍事紛争は地域の一部企業に困難をもたらすことになるが、データはその他の市場から供給できると保証している。地元紙サイト3月2日付などが報じている。
パラグアイ中央銀行(BCP)によると2021年、パラグアイの塩化カリウムの総輸入額は6567万ドルに到達しや。うち、ロシアから 5676万ドル相当輸入した。すなわち、輸入の86%がロシア由来である。
塩化カリウムは洗剤などを中心とした家庭用掃除製品の製造や、医療用薬品の製造にも利用される。
ロシアと比較して著しく低いが、その他のサプライヤーはベラルーシやブラジル、カナダとなっている。
パラグアイで塩化カリウムを処理する企業はLasca社、Guayaki社、Dutriec社の3社で、パラグアイ薬品化学業界会議所会長のG・ガルシア氏は、「現時点で在庫に問題はない」と述べた。
ウクライナとロシアの軍事衝突による打撃について、同氏は、「地域レベルの物流は、すべての場合に備えて6ヵ月分の必要最小限の在庫を確保しており、一部の研究所はより多くの在庫を確保している」と追加した。
また、薬品製造に必要な一次資源のサプライヤーは中国とインドで世界の90%をカバーしている。一方で世界の危機は主に物流と輸送に影響を与える。
「我々に必要な一次資源は空輸でも得られるが、船舶輸送の5倍ほどコストが掛かる」と述べた。
他にもロシアからは、一部のミネラル肥料や窒素、リン、カリウムなどの化学品を輸入しており、2021年は2782万ドルの取引が行われた。肥料製造に利用される窒素を含んだ尿素においては、1623万ドル相当が輸入されており、全体の59%を占める。
ロシア由来の瀝青剤のアスファルト混合物は2237万ドルの需要があった。2973万ドルに相当する全体の75%を占める。パラグアイ道路会議所(Cavialpa)役員のC・オルテラド氏は、アスファルトセメントはコスト構造の重要な立ち位置を占めているが、現状として本製品の第二の輸入元ブラジルから入荷するという。
しかし同会議所は、前述した製品など、石油由来品価格の上昇に伴って建造物価格が最適化される可能性があると発表した。
パラグアイ輸入センター会長のE・サレンマ氏は、パラグアイはその他の国から一次資源の供給を受ける事が可能であるとの見解を示し、輸入には特に問題はないという。しかし、食肉輸出業界では、見通しは一転し、第2の輸出先であるロシアの閉鎖に伴って新たな市場を見つけなければならない。
ロシアと比較して著しく低いものの、パラグアイはウクライナからも入荷している。一例として、鋼板では、2021年に47万ドル相当が輸入された。これは全体の5818万ドルのごく一部に過ぎない。
またチタン鉱石とその純正品では、昨年26万ドルが輸入された。冶金産業センター(CIME)会長のC・ペラッソ氏はこれについて、「その他のサプライヤーが存在するため、軍事衝突で不便が生じるとは思えない」と述べた。(出典=PBNサイトhttp://pybiznews.wix.com/paraguay-biz-news)