国立宇宙研究所(Inpe)が8日、3月の法定アマゾンの森林伐採面積は昨年同月比で15%減ったが、第1四半期の累計は昨年同期比で64%増え、2016年以降で最悪となったと同日付現地サイトが報じた。
Inpeが公表したのは、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)が森林伐採管理のための基本データとする伐採管理システム(Deter)の観測結果だ。Deterは1ヘクタール程度の伐採も把握が可能な解析力をもつ。
それによると3月の伐採面積は312・23平方キロで、16年以降で最悪だった昨年同月比で15%減少した。それでも、3月としては、16年以降で4番目に伐採量が多い月となっている。
1月430・44平方キロ、2月198・67平方キロと2カ月連続して16年以降で最悪の記録を更新していたため、第1四半期の累計941・3平方キロは、ここ7年間ではダントツの1位となった。
12月から3月にかけては雨季で、例年、伐採量が落ちるのだが、1~3月の累計は新記録を更新しており、気候変動抑制に向けた国際的な取り組みや、そのために開催された国際会議でのブラジル側の約束に反するものとして、国内外で懸念を生じさせている。
ブラジルは昨年4月に、2025年までに温室効果ガスの排出量を2005年の37%減らし、2030年には50%削減という目標を提示した。また、昨年10~11月の第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)でも、2028年までに不法伐採撲滅などを約束している。
グリーンピース・ブラジルの法定アマゾン関連広報のクリスチアネ・マゼッティ氏は、「ブラジルは気候変動抑制のリーダー的な存在だったのに、現在は科学者達の言葉に耳を傾けず、世界の流れに逆行する環境政策を取っている」と語っている。
ブラジル政府の環境対策と関連法令については、最高裁が現在審理中で、先住民による抗議行動も起きている。選挙年は伐採が増える傾向がある事も懸念材料の一つだ。
7、8日付現地紙、サイトは、フェイスブックが7日、環境保護団体や環境活動家とその活動への信頼性を揺るがそうとして、軍将校が責任者である団体が作ったネットワークや偽のプロフィールを削除したと発表した事も報じている。