【既報関連】ボルソナロ大統領一家とつながりがあったリオ市の犯罪組織の大物ミリシア(民兵)のアドリアーノ・ダ・ノブレガ氏は、2020年2月に警官隊に射殺された。彼の姉妹の「連邦政府に殺された」発言に続き、同氏の未亡人が「フラヴィオ上議(大統領長男)が幽霊職員を11年雇い続けていた」と発言した録音があることが8日に明らかになり、同上議のリオ州議時代のラシャジーニャ(ピンハネ)疑惑を裏付ける発言として波紋を広げている。8日付現地サイトが報じている。
6日に公開されたアドリアーノ氏の姉妹ダニエラ・マガリャンエス・ダ・ノブレガ氏の肉声同様、今回の録音も、アドリアーノ氏殺害に関するリオ市警の捜査「ガールグラ作戦」で行われた盗聴で入手されたものだ。
指名手配犯として当時逃走中だったアドリアーノ氏。その妻ジュリア氏が、2019年7月に友人との電話で話した内容の録音だ。ジュリア氏はこの時、夫の前妻のダニエレ・メンドンサ・ダ・ノブレガ氏が市警の捜査後に不満を漏らしたことなどを語っていた。
ジュリア氏は「ダニエレは11年前(2008年)に職員に採用されたの。その間、月1万レアルは彼女の懐に入ってたんじゃないかしら。職員として雇われていたのは私じゃなく、(当時のアドリアーノ氏の妻だった)彼女だったのよ」と友人に語っていた。
アドリアーノ氏の母親やダニエレ氏がフラヴィオ氏の幽霊職員だったことは周知の事実で、ダニエレ氏は2007年11月からラシャジーニャ疑惑が報じられ始めた2018年11月まで、職員を務めていた。その時の給与は3千〜6千レアルと見られている。
ジュリア氏は検察で「ラシャジーニャのことは知らない」と述べていたが、現在の夫はその後、「彼女が知っていてもしゃべらせない」とも語っている。
ダニエレ氏は女性の友人に送ったメッセージで「幽霊職員として得た金は長年の頭痛の種だった」とも語っていた。形式上の上司でもあるファブリシオ・ケイロス氏に給与の管理者はアドリアーノ氏だったと語っていた録音も確認されている。