ブラジル日系団体の中心的存在と言われるブラジル文化福祉協会(文協、石川レナト会長)。2020年3月からの新型コロナウイルス感染拡大により、各種イベントが中止を余儀なくされ、現在の会員数は約1300人と以前に比べて減少している。そうした中、昨年9月に第1回春祭りを開催、10月にデイサービスを開始するなど、少しずつ活動を再開させている。8日、現在の文協の状況や今年のブラジル独立200周年への動きなど、中島エドアルド事務局長に話を聞いた。
中島事務局長によると、デイサービス事業、文協ビル内のバリアフリー改修工事、動画サイト「YOUTUBE」での『TV文協』動画制作、国士館スポーツセンターでの文化祭り、総合美術展開催は、JICAから受けた約150万レアルの助成金と、文協負担の約20万レの計170万レの予算内で行ったそうだ。
バリアフリー工事では、各階に身体障がい者用トイレを設置、文協ビル別館の展示室と体育館をつなぐスロープの改修を行った。
昨年10月にはイビラプエラ公園内の日本館の営業を再開し、サンパウロ市からのイメンダ・パラメンタル(議員割当金)約11万レを受けて、バリアフリー工事を実施した。日本館では日本企業と連携し、各社製品の紹介を含む展示も行っているという。
また、文協ビルの壁面に書かれた落書きについて中島事務局長は、「壁にペンキを塗って落書きを消すのは簡単なのですが、また繰り返して落書きされる可能性があります。新たに防犯カメラを設置するなど、再発防止策も含めた建物全体の管理態勢について、防犯関係の専門家の意見を聞きながら対応を進めていきます」と話した。
そのほか、今年のブラジル独立200周年事業については、先ごろ実行委員会が立ち上がったばかりで、今後詳細を詰めていく考えだという。アイデアの1つとして、全伯32地域にいる地方理事と協力し合い、9月7日の独立記念日をめどに、各都市に同様のモニュメントを造る計画があるそうだ。
中島事務局長は「移民の日の6月18日には、改修工事を行っている移民史料館9階のお披露目も行う予定です。現在、史料館は毎週水曜日、日本館は毎週木曜日がそれぞれ入場無料となっているので、ぜひ、皆さんに来場していただきたいですね」とアピールした。