《ブラジル》パラナ州の現金輸送会社襲われる=人質をとり、銃撃戦後逃走

強盗団によって火が放たれた幹線道路(18日付G1サイトの記事の一部)

 17日深夜から18日未明に30人以上の強盗団がパラナ州中央部グアラプアヴァ市の現金輸送会社を襲い、警官2人と住民1人が負傷する事件が起きたと18、19日付現地サイトが報じた。
 長身の銃などで重装備した強盗団は、近隣住民を人質にし、市内への道路を封鎖するなどして、警官隊の動きも妨害した。
 人質をとり、軍警大隊前で車両に放火して警官の出動を遅らせたやり方は、2020年11月にサンタカタリーナ州クリシウマ市で起きた銀行襲撃事件と酷似しているが、クリシウマでは1億2500万レアルと見られる現金が持ち去られたのに対し、今回現金は持ち去られていないという。
 だが、真夜中に銃声が鳴り響き、人質もとられた上、複数箇所で火の手が上がるという状況は、市民を恐怖のどん底に陥れるのには十分だった。

強盗団が放置した重火器の一つ(18日付G1サイトの記事の一部)

 強盗団は警官隊との銃撃戦の後、何も奪わずに逃走したが、銃撃戦で警官3人が被弾。内2人は病院に運ばれて加療中だが、3人目の警官は、胸ボケットに入れていた携帯電話に弾があたったため、死を免れたという。また住民も1人、被弾して負傷。治療を受けている。
 警察によると、強盗団は州道466号線を使い、ピタンガ市方面に逃げたという。警官の出動を妨げるために放火された車両以外にも、現場や周辺部に乗り捨てられた車が押収されている。
 警察は18日に、軍兵士や警官などに使用が限定されている火器を供給した容疑で、25歳の男性を逮捕したが、強盗団の行方はまだ捜査中だ。当局によると、強盗団が使用した火器は長身の銃を中心とした重火器で、警察は国外から密輸されたものと見ている。 

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