22、23日の2夜にわたって、サンパウロ市、リオ市でスペシャル・グループによるカーニバルのデスフィーレ(パレード)が行われ、各エスコーラ・デ・サンバが競い合った。23、25日付現地紙、サイトが報じている。
サンパウロ市アニェンビで行われたデスフィーレ初日はアカデミコス・ド・トゥクルヴィ、コロラド・ダ・ブラス、ウニドス・ダ・ヴィラ・マリアが注目を集めた。1部復帰となったトゥクルヴィは原点に立ち返り、「カーニバルの過去、現在、未来」を忠実に描き、観客の好感を得た。コロラドは性転換で女性になったライニャ(女王)の存在が話題を呼んだ。「パンデミック後の生活」を描いて好評だったヴィラ・マリアは、初めに山車の一部で故障が起きるトラブルが発生したにも関わらず、時間内に納めた点も評価された。
サンパウロ市2日目で話題となったのは、モシダーデ・アレグレ、アギア・デ・オウロ、ローザス・デ・オウロだった。モシダーデは女性歌手クレメンチーネ・デ・ジェズスの生涯を描き、情熱的な表現が共感を呼んだ。アギアは黒人文化を顕彰し、華麗な白装束で統制をとって美しく行進した点が評価された。
最も話題を呼んだのはローザだ。ローザはボルソナロ大統領に似せた男性を登場させ、ドラッグクイーンの看護婦に抵抗していたがワクチンを打たれた途端、煙が上がってワニに変身するという演出。「コロナワクチンを打つとワニになる」と発言した大統領を痛烈に皮肉った。
リオ市サプカイでのデスフィーレ初日に好評を得たのはマンゲイラ、ヴィラ・ドウロ、ベイジャ・フロールだった。マンゲイラは伝説のサンバ音楽家カルトーラなど、同エスコーラ出身者らに敬意を捧げた。前回優勝のヴィラ・ドウロは1919年のスペイン風邪当時と現在までの進化を描いた。ベイジャは黒人に対する差別との戦いの歴史を描いた。
2日目に好評を得たのはウニドス・ダ・チジュッカ、グランデ・リオ、ヴィラ・イザベルだ。先住民の伝説を描いたチジュッカは、色鮮やかな山車と衣装で注目を集めた。グランデ・リオは精神世界と人間界のメッセンジャー「エシュー」を描いた神秘的な内容で魅了。最後を飾ったイザベルは大御所サンバ歌手のマルチーニョ・ダ・ヴィラが参加し、彼の人生を表現した。
サンパウロ市、リオとも結果発表は26日となる。
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