26日、下落傾向にあったドルが再び急騰し、5レアルに迫る勢いとなった。27日付伯字紙が報じている。
ドルは26日に2・29%急騰し、終わり値が3月18日以来となる4・99レアルとなった。
今回のドル高は、米国の利上げ加速が見込まれて資金の逆流が起き始めていることと、中国で猛威をふるっている新型コロナウイルスによる経済減速が予想されたためだ。消費が大きく、工業製品の輸出などでも大きな比重を占める中国の経済が減速すると、インフレを引き起こす強い要因となる。
これに伴い、サンパウロ証券取引指数(Ibovespa)も2・23%下がり、10万8212ポイントとなった。また伯国の銀行の株価もこれを受けて軒並下がり、サンタンデール銀行の4・55%減をはじめ、ブラデスコ銀行が4・29%減、イタウ銀行が3・40%減となった。大手企業でもヴァーレが1・37%減、ペトロブラスも0・17%減となった。
ウクライナ危機はドル安傾向を生じさせ、2月下旬以降のドルはずっと下がり続け、一時は1ドル=5・62レアルまで下がった。
27日も為替の状態は不安定で、1ドルが4・97レアルで終わった。
★2022年4月26日《ブラジル記者コラム》日本はとっくにインフレでは?=日銀は頑なに「デフレ」と言い張るが
★2022年4月2日《ブラジル》1ドル4・66レアルに=2年来のレアル高を記録
★2022年3月10日《ブラジル》一時1ドルが5レアル割る=ウクライナ危機の緊張緩和で