地理統計院(IBGE)が27日、4月15日締めの広範囲消費者物価指数(IPCA―15)は前月比1・73%上昇し、4月としては1995年の1・95%以来の高率となったと発表したと27、28日付現地紙、サイトが報じた。
4月のIPCA―15は市場関係者が考えていた1・82%以下だが、12カ月間では12・03%となり、今年のIPCA予想を、26日発表の経済動向調査「フォーカス」の7・65%から8・0~8・3%に修正する動きも出た。
値上がりが目立ったのは運輸・交通3・43%(0・74%ポイント、PP)や食料・飲料2・25%(0・47PP)、衣類1・97%(0・09PP)、居住費1・73%(0・28PP)などだ。運輸・交通は燃料費の値上がりが響いた。また、運輸・交通と食料・飲料は1・21PPに達し、IPCA―15の7割を占めた。
4月に値上がりした食品は、トマト26・17%、ニンジン15・02%、ロングライフ牛乳12・21%、大豆油11・47%、ジャガイモ9・86%、フランスパン4・36%などだ。
毎日の食卓に欠かせない食材の値上がりは、生活必需の活動維持のために、その他の活動への経費を節約する動きにもつながる。また、収入は不変または減少という中、購入する食品の量や種類を減らしたり、より廉価な銘柄品と取り替えたりする人も増えた。
12カ月間で値上がりした主な項目にはトマトやニンジン、カフェ、ガス、電気代などが含まれており、食費は年間で15%上がったという。
このような状況が失業者や低学歴者などを特に圧迫している事は、ペロタス連邦大学による調査でも明らかになった。
同調査によると、失業者の間では果物や野菜の摂取量がコロナ禍前より37%減っている。週5回以上果物を食べた人は42・6%が26・7%に、野菜を同率で食べた人も44・2%が27・6%に減ったのだ。
果物の摂取は就学年数8年未満の人で17%、黒人や褐色の人も15・9%減っており、失業などによる所得減少と食料品の値上がりの影響が数字となって出ている。
また、所得減に必需活動への経費振り分けや外出規制などが重なり、運動不足の人も増えた。
研究者らは、食生活の質の低下と運動不足などが、糖尿病や高血圧などの非感染性慢性疾患の増加を招く事も懸念している。
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