26日、サンパウロ市で行われたサッカーのコリンチャンス対ボカ・ジュニオルズ(アルゼンチン)戦で、コリンチャンスの選手に人種差別的行為を行ったボカ・ジュニオルズの熱烈なファンが逮捕され、波紋を投げかけている。26~28日付現地紙、サイトが報じている。
逮捕されたのはアルゼンチン人のレオナルド・ポンゾ容疑者(42)だ。同氏は26日夜、サンパウロ市イタケロン・スタジアムで行われたリベルタドーレス杯の試合前、黒人選手への侮辱行為であるサルの鳴き真似を行った。これを見た観客が警察に通報。ポンゾ氏は試合のハーフタイムに軍警によって逮捕された。
ポンゾ氏はアルゼンチン総領事館の職員に助けられ、27日に保釈金3千レアル(約7万9千円)を払って釈放された。だがその直後、インスタグラム上に他のボカ・ファンと一緒に写った同氏の写真があがっていたことが判明。そこには「(逮捕されても特に)何にもなかったよ」とのメッセージと挑発的な猿の絵文字が添えられていた。
これを見たブラジルのサッカーファンがネット上で大騒ぎとなり、警察に通報。この投稿はニコラス・ガライなる人物のもので、ポンゾ氏がサンパウロ州を離れる前に削除されたが、スポーツ関連の犯罪担当部署がボカや南米サッカー連盟などに通達した上で捜査している。
ポンゾ氏はボカの拠点のブエノスアイレスから900キロ離れた所に住んでいる。だが熱烈なボカ・ファンで、同チーム最大の応援団「La12」の団長ラファエル・ディツェオ氏との交遊関係でも知られている。ディツェオ氏も問題のある言動を繰り返し、何度も逮捕されたことがある。
ボカ側は今回の件を「重大なもの」として受け止め、処罰を検討している。
猿の鳴き真似は欧州サッカー界での人種差別行為のひとつで、欧州で長くプレーしてきたコリンチャンスの黒人選手のウィリアンは、「人種差別問題がたった3千レアルで片がつく。いつまでこの調子なんだ」とネット上で憤りを表した。
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