《ブラジル》インフレ高進と高失業率でスーパーでの生活必需品の万引き被害急増=顧客54%、従業員25%など=肉の現物は支払ってから渡す

万引き被害に頭を悩ますスーパー (参考画像・Arquivo/Agência Brasil)

 スーパーの店頭に置かれた商品が万引きなどの盗難被害に遭う例が急増しており、盗まれ易い商品をレジのそばに移すなどの対応に追われていると1日付現地サイトなどが報じた。
 ブラジル・スーパー・マーケット協会(Abras)によると、昨年の盗難被害は前年比で15%増の32億レアルに達した。昨年の売上は前年比で10%増の6110億レアルだった。
 顧客による万引きや従業員による盗難などに遭い易いのは肉、チーズ、ビール、炭酸飲料、デオドラント、チョコレート、電池などで、バンなどに塗って食べるヌテラも狙われ易いという。 

スーパーが様々な盗難防止策を講じていると報じる4月28日付ヤフーサイトの記事の一部

 盗難被害の増加は、失業率の高止まりやインフレ高進などで所得や購買力の低下が起きている事が主な原因と見られている。Abrasの調査では、生きていくために必要な食料などを盗む例が増えているという。
 盗難被害の54%は顧客によるもので、従業員によるものの25%の倍以上だ。残りの約20%は商品納入時などに盗む例だ。少なくともその一部は他者に売りさばかれていると見られている。
 スーパー側は盗難防止策として、盗まれ易い商品をレジの脇の鍵のかかるケースに入れ、客が求めたら出すという方法などを導入。肉類もレジで支払った事を示すチケットを持ってきたら商品を渡すという店が出ている他、商品棚の間隔をあけたり、店員の目が届き易い場所に商品を移したりして犯行防止に努めている店も増えている。

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