ブラジルの若い女性が中心となった市民組織ガール・アップによるキャンペーン「#SeuVotoImporta(あなたの投票は重要)」は、投票任意の年齢層(16〜18歳)が有権者登録を行い、選挙に参加することを奨励した。この有権者登録は4日に終了したが、同キャンペーンにより4万5千人が選挙高等裁判所(TSE)のサイトにアクセスしたと推測されている。
若年層は比較的、左派支持者が多く、PT(労働者党)政権時代に増えたが、その後減少傾向にあった。ボルソナロ政権にとっては歓迎されない有権者層といえる。この層が影響を受けやすいのが有名歌手や芸能人であり、ここにもPT支持者が多い。若年層投票参加呼びかけは、その筋のキャンペーン的な雰囲気が濃厚といえそうだ。
このキャンペーンには米国からの影響が強い。その一人が米国の俳優レオナルド・ディカプリオで、3日にはツイッターで「若者の有権者登録を支援するブラジルの民主主義の英雄に感謝」と言及し、ブラジルの若者に選挙への参加を促した。
彼のツイッターには1963万人のフォロワーがおり、彼がポルトガル語で「#SeuVotoImporta」に賛同を示した投稿には2日間でリツイート2万1千、いいね10万9千がついた。
同日、人気絶頂のブラジル人歌手アニータもSNSを通じて「昨日、私は@LeoDiCaprioと何時間も過ごし、若者が有権者登録カードを取得することの重要性について語り合った。彼がブラジルの大統領よりもアマゾンの熱帯雨林の重要性についてよく知っていることを皆さんもご存知ですよね?」と若者が有権者登録することを薦めた。他にも有名米国人俳優がこの動きに参加している。
大統領は4月29日にはディカプリオのツイートに対し、余裕たっぷりに「レオのサポートに感謝する。今年の選挙で全てのブラジル人が投票することは本当に重要だ」と応答していた。
だが若年者の登録が増えるにつれ、態度が豹変。3日にはディカプリオが現政府のアマゾン政策を批判していることに対し、「アマゾンに対し、自分たちの主権を維持するか、特別な外国の利益のために奉仕する泥棒に支配されるかは国民が決定する」とし、「ディカプリオは黙れ!」と敵対姿勢にもどった。
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