選挙高裁が4日、現在も欧州連合(EU)からの選挙監視団を呼ぶ事を望んでいる事を明らかにしたと同日付現地サイトが報じた。
ブラジルはこれまでも他国の選挙に監視団を送ってきたが、ボルソナロ大統領が繰り返し、電子投票への不信感を表明し、選挙裁判所だけでなく、軍による票数確認も行うべきなどと主張している事などで、選挙高裁は「ブラジルの民主主義を守るための選挙監視団派遣を」と複数団体に求めていた。
だが、大統領がEUからの監視団派遣に反対しているために外務省の協力が得られず、「EUからの監視団受入のための諸条件が整わない」と3日に発表した。
選挙高裁は3月にEUに書簡を送って初の監視団派遣を要請。EU代表とも監視団派遣について話し合ってきたが、最初の会合直後、外務省から「ブラジルが参加していない国際団体からの監視団受入は慣習にそぐわない」と批判されたという。
選挙高裁は3日の時点で、EUからは数十人に及ぶ技術者を受け入れ、選挙システムと関連性のある複数のテーマを扱う意向だった事を明らかにしており、4日に小規模でも良いから技術者を招きたいと語った。
3日までに10月の選挙への参加が確認されている監視団は、18年と20年の選挙にも参加した米州機構(OEA、ポ語ではOAS)と、メルコスル議会(Parlasul)、ポルトガル語圏共同体の選挙ネットワーク(CPLP)だ。カーターセンターと国際選挙制度財団(Ifes)、米州間選挙組織連合(Uniore)、選挙裁判所世界ネットワークの3団体とも、監視団派遣交渉が続いている。
選挙高裁は、大統領による選挙システム攻撃にも繰り返し選挙システムは安全である事を説明している。だが軍は3日も、大統領が繰り返し主張する内容を基にした質問書を送付。政府や軍が選挙システムで不正が起こり得ると国民に印象付けようとしている事も、選挙高裁が国際団体も含む広い範囲からの監視団派遣を求める理由の一つだ。
エジソン・ファキン選挙高裁長官は4日、「民主主義への脅威への妥協や、司法の権威を損なおうとする行為の容認はできない」と語った。