Brasil Nippou Gourmet Banzai!!=ケンスタール=伯国産和牛、4世代目に=進む環境適応、日本超え目指す

中矢レナト健二社長(ケンスタール社Facebookより)

 和牛生産大手として知られるケンスタール社(中矢レナト健二社長)は、1976年の創業当初はインド原産のネロール牛を中心に肥育していた。06年にヤクルト社から和牛6頭を仕入れたことをきっかけに和牛生産に舵を切り、今では1千頭以上を飼育している。
 同社では遺伝子学を専門とする獣医師と共に和牛の交配管理を行い、遺伝子レベルで肉質の改善に取り組んでいる。飼料も肉質に大きな影響を及ぼすことから、厳選した大豆から飼料製造を行っている。大豆に含まれるアミノ酸が肉の旨味を上昇させるという。
 食肉業界では、脂肪が肉の赤身部分に織り込まれるようになっている状態を「サシが入っている」や「霜降り」と表現する。霜降り度合いを示す牛脂肪交雑基準(BMS)も存在し、度合い別に1~12番に分類する。12番が最上級品だ。ケンスタール社では2019年までに到達した最高霜降り度は9番だったが、ここ3年で11番まで品質を向上させた。
 霜降り度合いについては近年、3~4番の需要が増えているという。理由は値段と食べやすさだ。霜降り度10番以上の肉は美味しいものの高価で、また健康上の理由から脂質摂取量が多くなってしまうことを懸念する人が増えている。そうした点からほどよい脂身がある3~4番の肉が人気だそうだ。

 中矢社長は「私たちの和牛はブラジルで生まれ育ち、現在3~4世代目になりました。ブラジルの気候に慣れ、各種耐性も付きつつあります。日本では温度変化の激しさで牛に負荷がかかりますが、ブラジルではそんな問題はありません。日本の和牛育成技術は非常に洗練されており、まだまだ見習うことが沢山ありますが、私はブラジル産の和牛がいつか日本産を超えると考えています」と述べた。
 霜降り和牛は、主に日本食レストランや高級肉料理専門店向けに販売されている。個人注文は受け付けていないが、同社では和牛食べたい人向けに取り扱い販売店やレストランの案内を行っている。問合せは、同社(電話=11・95954・2222/11・4801・7775、Eメール=kenko@kenstar.com.br)まで。

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