今年10月の大統領選に向け、候補者は国外有権者の票の争奪戦にも突入している。国外選挙区で登録された有権者は今年初めて60万人を超えた。この人数は、ロライマ州、アクレ州、アマパー州などで選挙人名簿に登録された有権者を上回り、その動向が注目を浴びている。国外有権者は大統領選にしか投票できない。9日付現地紙やサイトが報じている。
選挙高裁(TSE)によると、3月までに登録された国外のブラジル人コミュニティの有権者は、2018年5月以降、約11万6千人増加した。外国の選挙区で登録された在外選挙人は、国内外で正式登録された1億4830万人の有権者総数のわずか0・4%にすぎない。さらに、増加はしていてもこれら有権者は世界各国に分散しているため、候補者からあまり注目されない傾向があった。
18年5月の国外の有権者は48万7472人だったが、今年3月のデータでは60万3391人となり、4年前より24%の増加を示した。7月には最新のデータが公表される。しかし、2014年5月から2018年5月までの4年間は、33万7452人から48万7472人に44%の増加を示したのと比較すると、その増加ペースは低下した。
前回の大統領選、18年の第1回投票では、自由党(PL)のジャイル・ボルソナロ大統領が国外投票の58・7%を獲得し、民主労働党(PDT)のシロ・ゴメス氏が14・5%で2位についた。労働者党(PT)のフェルナンド・ハダジ氏は10%で3位だった。決選投票では、ハダジ氏の28%に対して、ボルソナロ氏は71%の票を獲得した。
国外の有権者登録数が最も多い都市は、米国のマイアミ(3万5772人)とボストン(3万5459人)、ポルトガルのリスボン(3万4552人)、日本の名古屋(3万3859人)だ。過去4年間で最も増加したのはリスボンで、名古屋がそれに続いた。
とはいえ、5月4日に終了した選挙人登録の最終週には、ボルソナロ支持派の連邦議員ビア・キシス氏(PL)が、ソーシャルメディアを使用してポルトガルでのブラジル人の選挙人登録を奨励した。在外有権者にはなぜかボルソナロ支持者が多く、決選投票が僅差の勝負になった場合は、勝敗を決する可能性があるからだ。
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