ブラジル日本アマチュア歌謡連盟(Instituto NAK do Brasil=INB)の会長などを務めた故北川朗久さんが生前に所蔵していた音楽関係資料を、妻の北川ジューリア好美さん(現INB会長)がブラジル日本移民史料館に先頃、寄贈した。資料の寄贈は朗久さんの生前からの希望だった。
寄贈品の中には、日本放送協会(NHK)が、INB主催「ブラジル紅白歌合戦」で優勝旗として使用するために贈った紅白旗などがある。同紅白旗は日本の紅白歌合戦で使用されているものと同じ仕様で作られている貴重な逸品だ。
朗久さんは大阪音楽大学を卒業後、62年に渡伯。音楽指導者や司会業などを務め、93年に日伯音楽協会の会長を務めた。96年には日本アマチュア歌謡連盟(NAK)のブラジル支部となるINBを設立し、初代会長を務めた。INB主催でカラオケ大会を開き、優勝者を日本に派遣するなど日伯文化交流に尽力。日系福祉施設の寄付を募る支援歌謡祭も行ってきた。門下から日本で活躍するブラジル人演歌歌手のエドアルドを輩出した。
好美さんは「夫は『尽くす』ことが大好きでした。音楽と人生に対して使命感を持ち、いつも一生懸命に活動していました」と生前の朗久さんの様子を振り返った。