《サンパウロ市》来年度予算初の900億レアル(約2兆2515億円)超え=住宅や交通分野への投資を充実化

サンパウロ市南部の景観(Palácio do Planalto from Brasilia, Brasil, via Wikimedia Commons)

 ブルーノ・コーヴァス氏の急死を受けてサンパウロ市市長に就任してから約1年を迎えたリカルド・ヌネス氏(ブラジル民主運動・MDB)が、2023年度の予算基本法(LDO)を市議会に提出した。11日付現地紙やサイトが報じている。
 南米最大の都市であるサンパウロ市の人口は1233万人。来年度のLDOは初めて900億レアル(約2兆2515億円)の大台を超える。ちなみに神奈川県横浜市(人口372万人)の21年度予算案は2兆73億円だった。
 主な要因は、「パンデミック後の経済活動再開」「都市計画と助成プログラムの実施」「カンポ・デ・マルテでの合意後の連邦政府との債務終了」の三つだ。
 総額901億レアルのLDOはまだ審議段階で、11日に初回公聴会が行われた。市内32の区役所や各局に配分される具体的な金額や用途も未定だ。しかし、来年の投資目標額は約100億レアルで、現行のLDOより30%増加。昨年比では2倍以上になる。

リカルド・ヌネス市長(MDB Nacional, via Wikimedia Commons)

 LDOは、サンパウロ市の日常における市長(現市政)の目標と優先順位をまとめたものだ。同書では、交通(BRアリカンドゥヴァなどの建設)、医療(救急センターの拡充)、住宅(公営住宅の賃貸プログラムの拡大と低所得者向け住宅建設)、レジャー(ミニョコン公園設置)など、現在進行中のプロジェクト99件が優先的な計画として提示されている。
 来年度のLDOで最も大きな割合を占めるのは住宅と交通の分野だ。6208戸の住宅建設と、6万世帯に利益をもたらすとされる都市化と土地所有の正規化のためには25億レアルを投じる。
 バスターミナルやバス専用車線の設置、道路舗装には23億レアルが費やされる予定だ。歩道と自転車専用レーンの改善には2億1300万レアル、交通事故防止のためには1億9300万レアルの投資が計画されている。
 77の公約プロジェクト遂行のために、市役所は24年までに299億レアルを投資する必要がある。現在までにヌネス市長が達成できた目標は二つのみで、46が実行中、29が具体化している段階にある。
 市長によると、900億レアル超の歳入見込みは、パンデミック後の景気回復のための広範なプログラムの結果だ。同市長は雇用問題を例に挙げ、「サンパウロ市では昨年、国内最多の33万3千人が正規雇用を得た。2位のリオでは8万2000人だった」と説明した。

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