10日にディーゼル油の出口価格が8・87%値上がりした事や連邦政府がペトロブラス(PB)の民営化と言い出した事などで、トラック運転手達が全国規模のスト決行を再検討し始めたと12付現地サイトが報じた。
運転手達がTikTokと呼ばれるソーシャルネットワークに流す動画は彼らの窮状を伝えている。TikTokは米国などのトラック運転手もストを計画する時などに利用している。
ある運転手は、バイア州バレイラス地方で600リットル強入るタンクを満タンにしたら5500レアルを超えた事を示す動画と、目的地まで到着するには再給油せねばならず、それで輸送費が1万1千レアルではまったく採算がとれないとのコメントや文面を出して切実に訴え、反響が広がっている。
ブラジル自動車運転手協会(Abrava)会長のワラセ・ランディン氏(通称ショロン)は、15日に代表達を招き、全国ストについて協議する意向だ。
運転手達の不満の種は燃料費の値上がりだけではない。彼らはベント・アルブケルケ前鉱山動力相(鉱動相)の解任が、自分達を支援するためか、経済界に見せ付けるためかが分からないと不満を漏らしている。彼らにとり燃料価格の高騰は、国際市場の原油価格と為替による価格調整という、PBの価格政策の問題で、PB総裁や鉱動相を交代しても解決しないからだ。
また、連邦政府がPB民営化を検討し始めた事も不満の種だ。選挙年である事と政権の任期の終わりを考えると実質的に実行不可能な話を「驚愕と憤慨」を持って受け取ったと同協会は述べている。同協会は、政府がPBの株主であっても価格政策を変えられないのに、民営化したらなおの事、政府の影響力は弱まるとみている。
ゲデス経済相らは民営化に乗り気だが、ロドリゴ・パシェコ上院議長はPB民営化を検討する時期ではないとの見解を表明。市場関係者らも民営化は自分で自分の足を撃つようなものとの表現で懸念を表明している。
また、テメル政権時代には燃料値上げは政府の責任としていたボルソナロ氏がPB総裁らに責任を丸投げし、インフレの責任は知事達にもあるとする態度にも批判が出ている。