ブラジル沖縄県人会とブラジル沖縄文化センターは5月14日、サンパウロ市の同県人会館で「沖縄日本復帰50周年記念祝賀会」を開催した。県系人ら約130人が参加し、節目の年を祝った。
祝賀会は19時に開会し、会冒頭では沖縄戦犠牲者らへ1分間の黙とうが捧げられた。
新型コロナウイルスり患のため欠席した高良律正沖縄県人会会長に代わって、上原テーリオ副会長が挨拶に立ち、琉球王国の歴史や沖縄の地理、文化、経済、太平洋戦争における沖縄県民の苦しみ、戦後のアメリカ軍との関係について語り、「沖縄の初期移民は、日本のパスポートではなく、アメリカのパスポートでブラジルやボリビアに渡りました。沖縄が日本に復帰して50年が経ち、今では日本の沖縄県民としてブラジルを始め、世界中で活躍しています」と挨拶を締めくくった。
来賓として桑名良輔在サンパウロ総領事、山下譲二ブラジル日本文化福祉協会評議員会長、市川利雄ブラジル日本都道府県人会連合会会長、西尾ロベルト宮坂国人財団理事長らが出席した。
挨拶に立った桑名総領事は、「ブラジルにおける沖縄県人の皆さんの活動は非常に活発で、皆さんからは強い協力精神を感じます。うちなー文化(沖縄文化)から和に生きることの大切さを学ばせてもらいました」と沖縄県人らの活動を称え、祝辞とした。
来賓挨拶の後、復帰50周年を祝う記念ケーキが用意され、参加者全員で誕生日を祝う歌を斉唱して喜びを分かち合った。
その後、長年沖縄県人会の活動に貢献してきた山城勇元県人会長が乾杯の音頭を取り、歓談の時間へと移った。会場では日本食が振舞われ、沖縄伝統の琉球舞踊や、エイサーが披露され、閉会時には参加者全員でカチャーシーを踊った。
祝賀会に参加した新垣恵子さん(3世、68歳)は「私のおじいさんおばあさんは沖縄から渡伯し、とても苦労しました。うちなーんちゅはどんな困難な状況にあっても賑やかに振舞います。私はそうした沖縄文化を誇りに思っています。沖縄日本復帰50周年という歴史的な日を祝うことができてとても感動しています」と語った。