オレンジレンジの最新EP『OKNW.ep』は、初めから作品テーマを「沖縄」にしようとしていたのではなく、様々な「偶然」が重なった結果できあがったのだとボーカルのRYOさんは言う。
「沖縄のNHKさんから、沖縄本土復帰50周年のテーマソングを作ってほしいっていうのと、沖縄を舞台にした映画の主題歌のお話をいただいたりとか、全てのタイミングがこの作品をリリースする時期に集まっていくような感覚を受けました」
さらには、リリースされた日にも特別な意味があるそう。
「その日は僕たちがインディーズで初めて作品を出した時期でもあるんです。『この時期にこういうお話がこんだけ来てるんだったら、これは作品にしようよ』こういうストーリーがあって『OKNW.ep』っていうものができあがりました」
デビュー当時から、オレンジレンジは音楽のジャンルに縛られず、独自のスタイルを貫いてきた。その理由について尋ねると、沖縄の歴史的・文化的背景が少なからず影響しているという。
「大人になるにつれて、沖縄自体がミックスされた音楽の集まりなんじゃないかと感じるようになりました。というのも、僕たちが育ったコザという街にも、アメリカ軍のベースがすぐそばにあって、週末になると、その中から来た人たちがバンドを組んで演奏してるっていうのを学生時代からよく見かけました。僕たちのライブにも、そういうアメリカの方がいらっしゃって、音に乗ってるっていう風景もあったりしたんです。普通に生きていたら感じられない距離感でいたんじゃないかな」
「数多くあるライブハウスの中で、当時のコザの大人たちが、学生がイベントを組めるような形にしてくれたところもありました。自分たちで『このバンドとあのバンドを呼んでこういうイベントを企画しよう』みたいな、学生が動けるようになっていました。だから僕たちはライブがしやすい環境にいました。それを作った先輩方、『紫』とか、沖縄の先輩バンドたちのおかげで、僕たちにはそういう場所があったんだなと感じることができました」
RYOさんは沖縄本土復帰50周年をきっかけに、沖縄の歴史を学び、様々な人から沖縄への思いを聞いたことが『OKNW.ep』に反映されていると語った。
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インタビューの最後にはポルトガル語でのメッセージにも挑戦してくれた。「Olá Brasil! Aqui é o RYO do ORANGE RANGE! Muito obrigado, um abraço!」(ブラジルの皆さん、こんにちは!オレンジレンジのRYOです!ありがとうございました、ハグ!)と「R」の発音に苦戦しながらも一生懸命にポルトガル語で話した。
「今回の取材で、僕の予想以上にブラジルの人たちがオレンジレンジを待ってくれているということを知り、ブラジルに本当に行きたいと思いました。もし、ずっと待ってくれているなら、僕たちが音楽をやっている間に必ずブラジルに行きたいと思うので、ぜひ待っててください、会いに行きます!」と締めくくった。(終わり、城間理花記者)