16日以降、南部や南東部を中心に広がっている南極おろしの寒波と強風は予想された以上に強く、少なくとも1人が死亡している。また、18日はサンパウロ市でも体感温度は零下など、5月には珍しい厳しい寒さに、各自治体が対策に追われていると17、18日付現地紙、サイトが報じた。
南極からの大寒気団と海上で発生したサイクロンという組み合わせによる悪天候は、通常は陸から遠のいていくサイクロンが陸に接近し、強風や湿った大気を送り込んだ事でさらに不安定になった。
16、17日の時点では時速100キロを超えると見られていた風は勢力を強め、最大120キロ/時と改められた。リオ・グランデ・ド・スル州やサンタカタリーナ州では強風や雨の被害を避けるために、学校を休みにしたり、外出を避けるようにとの勧告を出したりする自治体が続出した。
海岸部では高波の被害も出ており、港に停泊中の船舶には航行停止勧告が出た。ポルト・アレグレ沖で起きた小型船の転覆事故では、乗り込んでいた漁師3人の内1人が死亡し、消防が遺体を回収。残りの2人は自力で助かったようだ。
17日未明に降雪を見たサンタカタリーナ州のウルペマなどは17日夜から18日にかけても雪が降った。
18日はサンタカタリーナ州ボン・ジャルジン・ダ・セラで零下2・5度、サンジョゼ・ドス・アウゼンテスで0度などを記録した他、リオ・グランデ・ド・スル州やパラナ州でも1~2度台を記録した所が多発。南部ではまだ、強い雨や風への警戒が必要だ。
南東部でも、サンパウロ州のカンポス・ド・ジョルドンが零下1度、リオ州のピコ・ド・コウトで1・4度、ミナス州のマリア・ダ・フェで3・4度などと冷え込んだ。中西部でも、ゴイアス州ミメイロスで4・8度、リオ・ヴェルデで5・1度など、5月らしからぬ寒さとなっている。
風を伴う強い寒波はまだ続き、サンパウロ州やミナス、ゴイアス、マット・グロッソ・ド・スル、リオの各州には降霜への警告も出ている。
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