鍼灸道場=日本を代表する7人が講演=本格的鍼灸オンライン講座

主催する小渡良博氏
主催する小渡良博氏

 小渡良博氏(おどよしひろ、69歳、東京都出身)=サンパウロ市在住=の鍼灸道場が企画した本格的鍼灸オンライン講座「サーキット・セブン」が、8月から開催される。「日本式の鍼灸をブラジルなど南米にもっと広めたい」という小渡氏の熱意に賛同した日本鍼灸界を代表する7人が、2カ月ごとにオンライン講演する初の試みだ。
 現状ブラジルでは鍼治療が中心になっており、初期の日本人移民が大いに利用していたにもかかわらず、もぐさを使った灸はあまり広まっていないという。講座では灸の用途別の種類、使い方などもじっくりと解説する。
 参加費は有料になる予定。当日は小渡氏がブラジル側講師となりポルトガル語に通訳、スペイン語通訳もある。特別参加として、南米の伝統医療を紹介する先住民の治療家(シャーマン)による映像やメッセージも予定している。
 講師の一人、松田博公氏は元共同通信社編集委員。日本伝統鍼灸学会顧問。約80人の鍼灸師ルポ『鍼灸の挑戦』で、医道の日本社主催第19回間中賞を受賞。『日本鍼灸へのまなざし』で日本伝統鍼灸学会創立40周年記念賞を受賞した。
 第1回目は8月27日午前8時から松田氏による「サーキットセブンセミナーと福島先生の紹介」、8時半から東京医療専門学校教員養成科非常勤講師・福島哲也氏の「深谷灸法入門」、11時から小渡氏の「日本移民がブラジルにもたらしたお灸」、同28日8時半から福島氏の「効かせるための施灸テクニック」、11時から小渡氏とマリア・ビクトリア氏による「お灸の練習」が行われる。
 第2回目は2日間に亘り開催。10月22日8時半から松田氏「日本伝統鍼灸とは何か」、11時から水谷潤治氏「竹筒灸のテクニックの全て」。水谷氏はカナダのバンクーバー在住で、世界の鍼灸師を教育しようと過去20年に亘って「北米東洋医学誌」(日英対訳、年間3回発行)を主幹する。23日8時半から小渡氏とビクトリア・セレゾ氏「竹筒灸の練習」、11時から水谷先生「灸に期待できる効果」が行われる。
 第3回目は12月17日8時から松田氏による講演者の紹介とそのテーマの歴史的、文化人類学的意義、8時半から東洋鍼灸専門学校講師・戸ケ崎正男氏「日本伝統鍼灸の本質と治療」、11時から「鍼灸による診断体系」、同18日8時半から「ツボの見方と任脈督脈を用いた全体治療」、11時から小渡氏「触診の種類と応用」。
 第4回目は23年2月22日8時から松田氏による石原氏の紹介、8時半から日本伝統鍼灸学会会長・石原克己氏「意識、言霊と日本鍼灸」、11時からマリア・ビクトリア氏「鍼灸治療と神秘体」。
 第5回は同年4月22、23日に実施。8時から北里研究所東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員・大浦慈観氏「管鍼法と杉山流の手技」、11時から小渡氏とビクトリア氏による管鍼法の基礎訓練。
 第6回は同年6月24、25日。8時半から日本小児はり学会代表理事・井上悦子氏「刺さない鍼(小児はり)の概要と臨床の実際」など。
 第7回は同年8月26、27日を予定。詳細は今後、あたらためて発表される。
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